一般に,なにか似たようなものが集まると,始まるのがその分類です。生物科学のさまざまな分野における活動によって,巨大な数のタンパク質が姿を現わし始めました。それらタンパク質の分類にはその機能の類似による場合とその構造(なかでも一次構造)に基づく場合があります。二つの分類は当然一致しません。そこでどちらかを選ばなければならないわけです。いちばん簡単なのは一次構造(アミノ酸配列,塩基配列)によるものです。その場合でも,一つの分子のなかに違った種類に属する構造が含まれると,その分子は複数の分類に属するという複雑さが生じます。そのような不都合があっても,やはり一次構造によって分類するのが最善だと思えます。しかし,そのデータを読者に提供するには,やはりその機能によって大きく分類するのが妥当ではないかと考えます。
本増刊号ではそのような立場からタンパク質(遺伝子)のファミリー・スーパーファミリーを整理いたしました。本企画を成功させてくださった多数の執筆者の方々に感謝申し上げます。
雑誌目次
生体の科学46巻5号
1995年10月発行
雑誌目次
特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
序にかえて フリーアクセス
著者: 「生体の科学」編集室
ページ範囲:P.388 - P.388
1.クロマチン
ヒストンファミリー
著者: 高見恭成 , 中山建男
ページ範囲:P.390 - P.392
[構成員]H1ヒストン,H2Aヒストン,H2Bヒストン,H3ヒストン,H4ヒストン,H5ヒストン
概説
ヒストンは,比較的小さな塩基性の核蛋白質で5種類のサブファミリー(H1,H2A,H2B,H3,H4)からなる。真核生物の染色体DNAはヒストンと会合し,ヌクレオソームと呼ばれる基本構造を形成する。このヌクレオソームはコアヒストンH2A,H2B,H3,H4の各2分子が集合した8量体コアにDNAが約2回転巻き付いたもので,さらにヌクレオソームコア間のリンカーDNAにヒストンH1が結合し,より高次のクロマチン構造が形成される。こうしたDNAパッケージング機構は,真核生物を通じて共通であり,ヒストンのアミノ酸配列は進化的によく保存されている。高等真核生物の各サブタイプの遺伝子は数十~数百コピー存在し,多重遺伝子群を形成している。現在まで多くの生物種のヒストン遺伝子の構造解析が行われ,各サブファミリーの系統樹も報告されている1)。ヒストン遺伝子群はゲノム.上の一ヵ所もしくは数カ所に集中して存在し,その編成様式は繰り返し型と分散型に大別される。前者はウニ,ショウジョウバエなどにみられるタイプで,H1からH4遺伝子が一定の間隔で繰り返し並んでいる。後者は高等生物に認められるタイプで,近接する遺伝子の数や種類が一定せず散在している。しかし,コピー数の多さからその全体像を把握するのは困難である。
2.DNA複製・修復
ヘリカーゼスーパーファミリー
著者: 榎本武美
ページ範囲:P.394 - P.396
[構成員]DNAヘリカーゼファミリー,RNAヘリカーゼファミリー,DEADボックス蛋白質ファミリー,DEAHボックス蛋白質ファミリー
概説
ヘリカーゼは,ATPの水解エネルギーを使って二本鎖のポリヌクレオチドを巻き戻して一本鎖にする酵素の総称で,巻き戻す基質がDNAかRNAかにより,DNAヘリカーゼ,RNAヘリカーゼと呼ばれ,両者はDNA/RNAヘリカーゼスーパーファミリーを構成する。このファミリーに属する蛋白質は七つのヘリカーゼドメイン(Ⅰ,Ⅰa,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ,Ⅴ,Ⅵ)をもつ(図1)1,2)。ドメインⅠはGxGKT/Sというアミノ酸配列をもち,ATPの結合に関与する。多くのヘリカーゼでドメインⅠaにチロシンが保存されており,このドメインはポリヌクレオチドへの結合に関与していると考えられている。ドメインⅡはATPの水解に必要で,このドメインのなかにDEADという配列やDEAHという配列をもつ多くの蛋白質が知られていて,DEADボックス蛋白質,DEAHボックス蛋白質とも呼ばれ,ファミリーを形成している。DEADファミリーやDEAHファミリーに属さないヘリカーゼでもDEは保存されている。ドメインⅢはATPの水解とヘリカーゼ活性とを共役させるのに必要であることが示唆されている。ドメインⅣとⅤの機能は明らかにされていない。ドメインⅥはポリヌクレオチドへの結合に必要な領域である。
3.遺伝子の発現 転写
b/HLH転写因子スーパーファミリー
著者: 藤井義明
ページ範囲:P.398 - P.401
[構成員]図1を参照
概説
b/HLHスーパーファミリーは,分子中に塩基性アミノ酸に富む配列(b)とそのC末端側に隣接して二つのαヘリックスがループで連結した構造(HLH)をもつ一群のタンパク質に与えられた名称である。この構造上のモチーフは一群の転写因子の一次構造の比較により,1989年にMurreらによって発見された1)。当時はアミノ酸配列から予測された二次構造であったが,最近のX線構造解析によってその予測の正しさが確認され,これらの転写因子の2量体形成の場としての役割が明らかにされた2-4)。
CREB/ATFファミリー
著者: 前川利男 , 石井俊輔
ページ範囲:P.402 - P.403
[同義語]CRE(cAMP response element:cAMP応答エレメント)結合蛋白質,activator transcription factors
[構成員]CREB,CREM,CRE-BPI,ATF-a,CRE-BPa,ATF1~6
etsファミリー
著者: 吉田幸一 , 東野史裕 , 藤永蕙
ページ範囲:P.404 - P.405
[同義語]E26 transformation-specific,Et/wenty-six specific
[構成員]Ets-1,Ets-2,Erg,Elk-1,Fli-1,PEA3/E1A-F,ERM,GABPα/E4TF1a,ER71,ER81,SAP-1,PU-1/Spi-1,Elf-1,E74,pok/yan,D-Elg,pointed,D-ets-3,D-ets-4,D-ets-6,Net/ERP/SAP-2,TEL
HMGボックススーパーファミリー
著者: 金井克晃 , 金井正美
ページ範囲:P.406 - P.408
[同義語]なし
[構成員]HMG/UBFファミリー(HMG1,2,UBF,ABF-2,mtTF-1など),TCF/SOXファミリー(TCF,LEF,SRY,SOX,MAT-Mc,Ste11など)
Mafファミリー
著者: 片岡浩介 , 西澤誠
ページ範囲:P.409 - P.410
[構成員]v-Maf/c-Maf,MafB,Nrl,MafK,MafF,MafG
概説
レトロウイルスのもつ癌遺伝子として発見されたv-mafは,転写制御因子のモチーフのひとつであるいわゆるbasic-leucine zipper(bZip)構造をコードしている1)。bZip構造をもつタンパク質には高等脊椎動物においては,癌遺伝子産物であるJunファミリー,Fosファミリーのほかに,ATF/CREBファミリー,C/EBPファミリー,NF-E2 p45/CNCファミリーなどがあり,Mafファミリーも含めてbZipスーパーファミリーを形成している。
Relファミリー
著者: 土屋晴生 , 樋野興夫
ページ範囲:P.411 - P.412
[構成員]v-Rel,c-Rel,Re1B,p65,p100(p52),p105(p50),Irel,Dorsal
概説
v-rel遺伝子は,鳥にBリンパ腫をおこすレトロウイルスREV-T(reticuloendotheliosis virusstrain-T)の癌遺伝子である1)。その後細胞性遺伝子c-relの一次構造が決定されたが,これらの遺伝子産物の機能については不明のままであった。
ジンクフィンガースーパーファミリー
著者: 樋口理 , 水野健作
ページ範囲:P.413 - P.416
[構成員 ]古典的ジンクフィンガー(TFⅢA)ファミリー,核内レセプターファミリー,GAL4ファミリー,GATA-1ファミリー,ジンクリボン(TFⅡS)ファミリー,ヌクレオカプシド蛋白質,メチオニルtRNA合成酵素,LIMファミリー,RINGフィンガーファミリー,プロテインキナーゼCファミリーなどのサブファミリーからなる。各サブファミリーの構成員については表1を参照のこと。
概説
ジンクフィンガーモチーフをもつ蛋白質として最初に構造決定されたのは,アフリカツメガエルの5SリボソームRNAの転写因子TFⅢAで,2個のCysと2個のHis残基が保存された約30アミノ酸からなる構造モチーフ(-C-X2-5-C-X12-13-H-X3-4-H-)が9回反復した構造をもつことが1985年,Klugらによって明らかにされた1)。彼らは,Zn2+イオンがCys2-His2の側鎖に配位した構造を推定し,ジンクフィンガーモチーフと名付けた(立体構造がフィンガー様の構造をもつわけではない)。その後,多くの転写因子に同様の構造モチーフ(古典的ジンクフィンガーとよばれる)の存在が明らかにされ,また,これとは異なったCys,Hisの配置をもつジンクフィンガー蛋白質も次々に明らかにされ,現在ではジンクフィンガースーパーファミリーとして数百種類の蛋白質の構造が知られている。
翻訳
酸性リボソームタンパクファミリー
著者: 劒邦夫
ページ範囲:P.417 - P.418
[同義語]特になし
[構成員]真核細胞のリボソームには,2種(酵母では4種)の約13kDaの酸性度の高いタンパク質P1/P2と,1種の38kDaの比較的酸性度の低いタンパク質P0がファミリーを形成している。前核細胞の酸性リボソームタンパクL7/L12は,同一のタンパク質で真核細胞の13kDaのものと一部相同性をもっているが,38kDaのものと相同のタンパク質はなく,ファミリーを形成していない。
翻訳後事象
分子シャペロン(熱ショック蛋白質)
著者: 細川暢子
ページ範囲:P.419 - P.420
[同義語]ストレス蛋白質(熱ショック蛋白質の同義語)
[略号]HSP(heat shock protein)
[構成員]HSP100ファミリー,HSP90ファミリー,HSP70(DnaK)ファミリー,HSP60(GroEL,cpn60)ファミリー,HSP27/28(smallHSP,low-molecular-weight HSP)ファミリー,TCP-1(CCT,TRiC)ファミリー
分子シャペロン チオレドキシンスーパーファミリー
著者: 南里宏樹
ページ範囲:P.421 - P.422
[構成員]①チオレドキシンファミリー:チオレドキシン(Trx),成人T細胞白血病由来因子(ADF),3B6-IL-1,B cell stimulating factor,好酸球cytotoxic-enhancing factor,early pregnancy factor,チオレドキシンh,m,f,チオレドキシンC-1,C-2,He1X,T1pA,ORF132,merオペロン18K仮想タンパク質。②グルタレドキシンファミリー:グルタレドキシン(Grx),チオールトランスフェラーゼ,T4ファージチオレドキシン。③プロテインジスルフィドイソメラーゼファミリー:プロテインジスルフィドイソメラーゼ(PDI),プロリン4ヒドロキシラーゼβサブユニット,トリグリセリド転移タンパク質,T3結合タンパク質(THBP),glycosylation-site-binding protein(GSBP),PI-specific phospholipase Cα(PI-PLCα),ERp60,ERp72,カルシウム結合タンパク質2(CaBP2),トリパノソーマBS-1,BS-2,酵母Eug-1。④Dsb Aファミリー:Dsb A,Dsb C,Tcp G,Por
4.細胞増殖・細胞周期 成長因子
EGFファミリー
著者: 安井弥 , 田原榮一
ページ範囲:P.424 - P.425
[構成員]epidermal growth factor(EGF),transforming growth factorα(TGFα),amphi-regulin(AR),cripto, vaccinia virus growth factor(VVGF),heparin-binding EGF-like growth factor(HB-EGF),neu differentiation factor/heregulin(NDF/HRG),Schwann cell-derived growth factor(SDGF),betacellulin
概説
EGFは,1962年にS. Cohenらによって発見され,化学構造が明らかにされた最初の増殖因子である。彼らは,神経成長因子を研究する過程で,新生マウスの眼瞼開裂および切歯萠出を促進する生理活性をマウス顎下腺抽出液中に見いだし,EGFを単離精製した1)。その後,1980年代の遺伝子クローニング技術の進歩によって多くの関連増殖因子を同定することとなった。EGFファミリーとして現在までに,TGFα,AR,cripto,HB-EGFなど10種類近くが発見されている。これらに共通する特徴は,EGFとの相同性の中でも3ヵ所のジスルファイド結合をよく保存していることであり,よく似た立体構造を有する(図1)。
FGFファミリー
著者: 伊藤信行
ページ範囲:P.426 - P.427
[構成員]FGF-1(aFGF),FGF-2(bFGF),FGF-3(int-2),FGF-4(hst-1/K-FGF),FGF-5,FGF-6(hst-2),FGF-7(KGF),FGF-8(AIGF),FGF-9(GAF)
概説
ウシの脳や脳下垂体の抽出液中に線維芽細胞の増殖を促進する因子,線維芽細胞増殖因子(FGF)が存在することが明らかにされた。その強力なヘパリン結合能を利用して,2種類のFGF(aFGF,bFGF)が精製され,その構造が明らかにされた。その後,種々の培養癌細胞よりトランスフォーミング活性を指標にして単離された遺伝子が,FGFと構造が類似しているタンパク質(FGF-3~FGF-6)をコードしていることが明らかにされた。さらに,上皮細胞に特異的な増殖因子(FGF-7)が単離され,その構造がFGFと類似していることも明らかにされた。これらの知見から,FGFは構造の類似している7種類のペプチドからなるファミリーを形成していることが明らかになった(図1)。その後,マウス乳癌細胞やヒトグリオーマ細胞より新しいFGF(FGF-8,FGF-9)も同定されている。
ニューロトロフィンファミリー
著者: 佐藤仁彦 , 河野通明
ページ範囲:P.428 - P.429
[同義語]NGF family
[略号]NT
[構成員]NGF,BDNF,NT-3,NT-4/5,NT-6
抑制因子
RBスーパーファミリー
著者: 吉田松年
ページ範囲:P.430 - P.432
[構成員]RB,p130,p107
概説
発がんの原因となる遺伝子群の多くは優性のがん遺伝子であるが,近年劣性のものが次々と明らかにされた。これらは一対の対立遺伝子の双方が欠失または変異することによりがん形質を表すものであり,がん抑制遺伝子1)と呼ばれ,代表的なものがRBおよびp53である。RB遺伝子は遺伝傾向の強い小児悪性腫瘍である網膜芽細胞腫(retinoblastoma)の原因遺伝子として,1986年にクローニングされた2)。この腫瘍の場合,多くは第13染色体の一方の13q14の領域の欠失が先天的に存在し,胎生期の分裂増殖に際し他方が変異してRB機能が完全欠失すると腫瘍が発生すると考えられるが,なぜ網膜に特異的なのかは未だ謎である。RB遺伝子の産物pRBは,アデノウイルスの産生するがん蛋白EIAおよびSV40large T 抗原と強く結合することが示された3)。pRBがこれらウイルス性がん遺伝子産物と結合して突然変異の場合と同様,失活する(sequesteration)ことにより細胞ががん化すると考えられた。ではpRBの機能は何か。pRBは細胞周期に伴いG9-G1期には低リン酸化型であり,S-G2期には高リン酸化型に修復される4)。
5.発生・分化 誘導・制御因子
HOX/HOMファミリー
著者: 黒沢良和
ページ範囲:P.434 - P.436
[構成員]Antp,AbdB,abdA,Ubx,Scr,Dfd,pb,lab,HOXA,HOXB,HOXC,HOXD
概説
生物は下等なものから高等なものにいたるまで,その複雑さの程度に応じて数千個から数万個の遺伝子を有している。1個の受精卵から成体が構築されていく発生分化過程は,時間的空間的にプログラムされたそれらの遺伝子の発現パターンの多様化の過程であり,それぞれの遺伝子の発現はさまざまな転写調節因子に制御されているので,発生分化を研究する一つの柱は,どのような転写因子が存在し,それぞれの因子がどのように組み合わされてさまざまな遺伝子の発現を調節しているかを解析することである。
Dlxファミリー
著者: 白沢卓二
ページ範囲:P.437 - P.438
[同義語]Distal-Less,Dlx,Dll,DLX
[構成員]Dlx-1,Dlx-2,Dlx-3,Dlx-5,Dlx-6(マウス/ラット),DLX-1,DLX-2,DLX-5,DLX-6(ヒト),Dlx-2,Dlx-3,Dlx-4(ゼブラフィッシュ),Dll(ショウジョウバエ),Xdll-1,Xdll-2,Xdll-3,Xdll-4(アフリカツメガエル),Box-4,Box-5(イモリ)
LIMドメイン蛋白ファミリー
著者: 古山達雄
ページ範囲:P.439 - P.440
[構成員]lin-11,isl-1,mec-3,apterous,lmx-1,LH-2,Gsh-4,L3,Xlim1,2,3,Hrlim,Rhombotin,CRP,CRIP,zyxin,hic5,LIMK,ril,paxillin,LRG1など
概説
1988年,WayらによりC. elegansのtouch receptor neuronの分化異常の原因遺伝子としてmec-3が単離された1)。1990年Freydらにより,C. elegansのvulva前駆細胞の非対称分裂の異常の原因遺伝子としてlin-112)が,また同じ年Karlssonらにより,ラットインスリン遺伝子のエンハンサー結合蛋白としてisl-1遺伝子が単離された3)。これら三つの遺伝子は,ホメオボックスとそのN端側に特徴的なアミノ酸配列の繰り返し構造を二つもつことから,転写因子の一つのファミリーを形成していることが示唆された。このアミノ酸配列は(C-X2-C-X17-19-H-X2-C)-X2-(C-X2-C-X7-11-(C)-X8-C-X2-(C/D/H))で表され,三つの遺伝子の頭文字をとってLIMドメインと称されている。
Msx・POUファミリー
著者: 武田洋幸
ページ範囲:P.441 - P.442
[構成員]①Msxファミリー:Msx1,Msx2,②POUファミリー:Pit/GHF1,Oct-1,Oct-2,unc-86など
概説
脊椎動物の発生や細胞分化に深くかかわっている二つの遺伝子群,MsxファミリーとPOUファミリーについて解説する。
NKファミリー・TTF-1
著者: 遠藤登代志 , 女屋敏正
ページ範囲:P.443 - P.444
[構成員]NK-1,NK-2,NK-3,NK-4,TTF-1
概説
1980年代,Drosophilaの発生・分化に関与するAntennapedia遺伝子の最終エクソンに存在した約180塩基対(ホメオボックス)がコードする61のアミノ酸がsequence specificにDNAと結合し,この領域と類似の構造が他の形態形成遺伝子中にも存在することが判明しつつあった。NKファミリー遺伝子も,このホメオボックスの塩基配列に相当する16~17merのoligonucleotide probeにてDrosophila遺伝子をスクリーニングした結果得られた一群のホメオボックス遺伝子である。
Otxファミリー
著者: 西駕秀俊
ページ範囲:P.445 - P.446
[同義語]とくになし
[構成員]Otx1,Otx2,c-otx2,Xotx2,otx1,otx2,otx3,Hroth,SpOtx,orthodenticle
調節・抑制因子
TGF-βスーパーファミリー
著者: 濃野勉 , 野地澄晴
ページ範囲:P.447 - P.450
[同義語]形質転換増殖因子β,transforming growth factorβ,TGFβ
[略号]TGF;transforming growth factor,DVR;decapentaplegic-Vg-related,BMP;bone morphogenetic protein,GDF;growth/differentiation factor,dpp;decapentaplegic,MIS;Müllerian-inhibiting substance,GDNF;glial-derived neurotrophic factor
[構成員]①TGF-βグループ:TGF-β1,TGF-β2,TGF-β3,TGF-β4,TGF-β5,②アクティビンβグループ:activinβA,(inhibin βA),activin βB,(inhibin βB),③DVRグループ:BMP-3 サブグループ;BMP-3(osteogenin),nodal,GDF-1 サブグループ;GDF-1,GDF-3(Vgr-2),Vg-1,GDF-5 サブグループ;GDF-5,GDF-6,GDF-7,dorsalin,dpp サブグループ;dpp,BMP-2,BMP-4,BMP-7 サブグループ;BMP-5,BMP-6(Vgr-1),BMP-7(OP-1),BMP-8(OP-2),60A,④MISグループ:MIS(anti-Müllerianduct hormone),⑤インヒビンαグループ:inhibin α,GDF-9,⑥GDNFグループ:GDNF。
6.結合タンパク カルシウム結合タンパク
EF-ハンドスーパーファミリー
著者: 高松研 , 斎藤茂治
ページ範囲:P.452 - P.454
[構成員]①細胞質EF-ハンド蛋白質:(単純型)カルモジュリン,S-100ファミリー(S-100a,b,C,L,18A2,p9ka,MRP8,MRP14,ICaBP,Calcyclinなど),パルブアルブミン(α,β),カルビンジンD28kファミリー(Calbindin D-28k,Calretinin),無脊椎動物筋小胞体CaBPファミリー(CaVP,Aequorinなど),神経特異CaBPファミリー(Visinin,Recoverin,S-modulin,GCAP,Neurocalcin α~δ,NVP1~3,Hippocalcin,HLP2,Frequenin),カルパイン30k鎖,LSP1,ソルシン,セントリン,カルトラクチン,(複合型)トロポニンC,ミオシン軽鎖(Myosin essential light chain,Myosin regulatory light chain),カルシニューリンB鎖,(融合型)カルパイン80k鎖(m,μ),ジアシルグリセロールキナーゼ,②細胞骨格および構造EF-ハンド蛋白質:(融合型)α-アクチニン,オステオネクチン,③小胞体内EF-ハンド蛋白質:(単純型)レティキュロカルビン,④細胞外EF-ハンド蛋白質:(融合型)血漿ⅩⅢ因子
糖結合タンパク
レクチンスーパーファミリー
著者: 笠井献一
ページ範囲:P.455 - P.457
[構成員]ガレクチン,C型レクチン,マメ科レクチン,穀類レクチン,リシン
概説
本項目を書くのはあまり容易ではない。なぜならレクチンというのは,酵素とか抗体とかに相当する大分類である。そのうえ,そもそもレクチンとは何かということを,きちんと定義できないからである。役割(生物学的機能)がはっきりしているものなら,定義するのは簡単であるが,レクチンの仕事は,接着分子,レセプター,輸送タンパク,酵素阻害剤,毒素,調節因子など,あまりにも多岐にわたる。はっきりわかっていないものも沢山ある。そこで,レクチンとは特異的に糖を結合するタンパク質のうちで酵素と抗体を除いたもの,といった定義というにはあまりにおそまつなものしか現実的には出せない。
グリコサミノグリカン結合タンパク
ミッドカインファミリー
著者: 村松喬
ページ範囲:P.458 - P.460
[構成員]ミッドカイン(MK),プレイオトロフィン(PTN,別称,HB-GAM,HBNF,OSF-1)
概説
ヘパリン結合タンパク質には,フィプロネクチン,ラミニンなどの細胞接着因子,線維芽細胞増殖因子(FGF),肝細胞増殖因子(HGF),血小板由来増殖因子(PDGF)などの成長因子,さらにトロンビン,アンチトロンゼンⅢなどの血液凝固関連タンパク質といった多くのタンパク質が属する。ヘパリン結合モチーフとしてXBBXBXあるいはXBBBXXBX(B:塩基性アミノ酸,X:その他のアミノ酸)が提唱されている1)。
ホルモン結合タンパク
甲状腺ホルモン結合蛋白ファミリー
著者: 七里元亮 , 城谷哲也
ページ範囲:P.461 - P.462
[同義語]とくにない
[略語]TBG,TBPA,T4,T3,RBP
[構成員]TBG,TBPA,アルブミン,リポプロテイン
蛋白質―蛋白質相互作用
ロイシンリッチリピートタンパクスーパーファミリー
著者: 市村徹 , 小俣三郎 , 大隅智也
ページ範囲:P.463 - P.465
[同義語]ロイシンリッチα2グリコプロテインリピートタンパク
[略号]LRRタンパク
[構成員]ロイシンリッチα2、グリコプロテイン,RNaseインヒビター,グリコプロテインⅠbα,Chaoptin,リボソーム結合蛋白質 p34,LANPなど(表1参照)
7.酵素・酵素阻害剤 酵素
イオン輸送性ATPaseスーパーファミリー
著者: 川村越
ページ範囲:P.468 - P.470
[構成員]P-ATPase(E1E2ATPase),V-ATPase(V0V1ATPase),F-ATPase(F0F1ATPase),A-ATPase
概説
細胞膜やオルガネラの膜には,膜の一方の側から他方の側へ,ATPの分解と共役してイオンを能動輸送する,イオン輸送性ATPase(イオンポンプ)が存在する。PedersonとCaraforiはATP分解様式や構造の違いから,イオン輸送性ATPaseを,P型・V型・F型の三つのファミリーに分類した1)。
リボヌクレアーゼスーパーファミリー
著者: 入江昌親
ページ範囲:P.471 - P.474
[同義語]とくになし
[略号]RNase
[構成員]RNase Aスーパーファミリー,RNase T1スーパーファミリー RNase T2スーパーファミリー
UDP―グルクロノシルトランスフェラーゼ遺伝子スーパーファミリー
著者: 佐藤浩 , 慶野宏臣 , 小祝修
ページ範囲:P.475 - P.476
[略号]通称を図1内に示した。公式略号の提案が文献2に書かれてある。
[構成員]UGT1ファミリー,UGT2Aファミリー,UGT2Bファミリー
アルコールデヒドロゲナーゼスーパーファミリー
著者: 原田勝二
ページ範囲:P.477 - P.478
[同義語]alcohol:NAD+oxidoreductase(EC1.1.1.1)
[略号]ADH
[構成員]ADHα,β,γ,π,χ,σ
アルド-ケトレダクターゼスーパーファミリー
著者: 藤井豊 , 中井昇 , 藤博幸
ページ範囲:P.479 - P.480
[構成員]アルドースレダクターゼ(ALDR),アルデヒドレダクターゼ(ALDX),プロスタグランジンF合成酵素(PGFS),ρ-クリスタリン(CRO),GCY産物(GCY),クロルデコンレダクターゼ(CHLR),2,5-ジケトグルコン酸レダクターゼ(2DKG),モルフィン-6-デヒドロゲナーゼ(MORA),NAD(P)H依存性6'-デオキシカルコン合成酵素(6DCS),P100/11E産物(P100),NADP依存性D-ソルビトール-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(S6PD),NAD(P)H依存性キシロースレダクターゼ(XYL1),3-オキソ-5β-ケトステロイド-4-デヒドロゲナーゼ(305B),3α-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(DIDH),トランス-1,2-ジヒドロベンゼン-1,2-ジオールデヒドロゲナーゼ(DBDD),38.9K蛋白質(YBZ9),30.7K蛋白質(YDBC),29.4K蛋白質(YAFB)
概説
アルドーケトレダクターゼは分子量30,000から40,000の金属イオンを含まない単量体蛋白質で,幅広い基質特異性を示し,p-ニトロベンズアルデヒド,DL-グリセルアルデヒド,グルクロン酸,キノン,ステロイド,プロスタグランジンおよびアフラトキシンなど種々のアルデヒドやカルボニル化合物をNADPH(NADH)を補酵素として対応するアルコールに還元する反応を可逆的に触媒する。
グルタチオントランスフェラーゼスーパーファミリー
著者: 土田成紀 , 石川孝
ページ範囲:P.481 - P.482
[同義語]グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)
[構成員]Alphaクラス:ラットGST1-1(YaYa),1-2,2-2(YcYc),8-8(YkYk),10-10(YfetusYfetus,Yc2Yc2),ヒトGST A1-1(ε),A1-2,A2-2(α)など。Muクラス:ラットGST3-3(Yb1Yb1),3-4,4-4(Yb2Yb2),6-6(Yb3Yb3,Yn1Yn1),6-9(Yn1Yn2),11-11(YoYo),ヒトGST M1-1(μ),M2-2,M3-3,M4-4,M5-5など。Piクラス:ラットGST7-7(GST-P,YpYp),ヒトGST P1-1(π)。Thetaクラス:ラットGST5-5,YrsYrs,ヒトGST T1-1(θ),T2-2。ミクロソームGST,ロイコトリエンC4合成酵素
シアリダーゼスーパーファミリー
著者: 宮城妙子
ページ範囲:P.483 - P.485
[同義語]シアリダーゼ,ノイラミニダーゼ
概説
糖蛋白や糖脂質の非還元末端からシアル酸(ノイラミン酸のアシル誘導体)残基を取り除くと,蛋白分子のコンホメーションが変化したり,分子や細胞による認識や免疫原性など,重要な生理現象が大きく影響を受ける。この反応を触媒するシアリダーゼは,“受容体破壊酵素”として最初にウイルスに発見されて以来,生物界に広く見いだされているが,その分布は一見,不規則で,系統的ではないように見える。棘皮動物から哺乳動物に至るまで動物に広く分布する一方,植物や他のほとんどの後生動物にはシアリダーゼもその基質となるシアロ複合糖質も存在しない。ところが,動物宿主に常在したり,そこで病原性を現す細菌や寄生虫にもシアリダーゼは見いだされており,また,同種属の細菌間でもその陽性率はかなり異なっている。
シトクロムP450スーパーファミリー
著者: 今岡進 , 舩江良彦
ページ範囲:P.486 - P.489
[構成員]P450のすべての分子種を限られた紙面で示すのは困難であるので,最も代表的なものを表1に示した。詳しくはNelsonら1)の文献などを参照してほしい。
概説
シトクロムP450(以下P450)はヘムを有する蛋白質で,ヘム鉄を還元して一酸化炭素(CO)と結合させると,Soret帯における極大吸収を450nm付近に示す蛋白の総称である。このP450の主な働きは分子状酸素を用いる一原子酸素添加反応(monooxygenase反応)であるが,分布が極めて広く,非常に多くの分子種が存在し,いわゆるスーパーファミリー(超遺伝子群)を形成している。さらに機能も多岐にわたり,薬物などの外来異物の代謝から生体内の基質であるステロイドホルモンの生合成,脂肪酸およびプロスタグランジン類の代謝など多くの生理機能を有している。P450は一般には細胞の中の小胞体膜やミトコンドリア膜に膜蛋白として存在しているが,原核生物の場合は可溶性P450として存在している。またP450が働く場合は電子伝達系が必要で,NADPHあるいはNADHを電子供与体とし,例えば小胞体型(一般的にはミクロゾーム型)ではNADPH-P450還元酵素から電子を受け取り,ミトコンドリア型(副腎)の場合NADPH-アドレノドキシン還元酵素さらにアドレノドキシンへと電子が伝達され,最終的にP450が電子を受け取り酸化反応に利用する。
ヘム-銅酸化酵素スーパーファミリー
著者: 武居洋 , 安里剛
ページ範囲:P.490 - P.491
[構成員]①シトクロムCオキシダーゼ:aa3,caa3,ba3,cao,②キノールオキシダーゼ:aa3,bo,ba3
概説
ここ数年の研究で,大部分のバクテリアオキシダーゼはきわめて近縁で単一のスーパーファミリーに属し,また哺乳類シトクロムCオキシダーゼも同一のスーパーファミリーに属することがわかった。微生物からヒトにいたるほとんどすべてのシトクロム酸化酵素は単一のスーパーファミリーに属し,ヘム-銅酸化酵素スーパーファミリーと呼ばれる。これは二つの基準により決められる。一つは最大サブユニットであるサブユニットⅠ同士の相同性が高いこと。二つは特徴的な2金属活性中心をもつことである。このスーパーファミリーは,用いる基質に対する特異性により,シトクロムCオキシダーゼと,キノールオキシダーゼとに大別される。さらに,主として酵素に含まれる補欠分子族であるヘムのタイプによりaa3,caa3,ba3……などと分ける。
ホスホフルクトキナーゼファミリー
著者: 中島弘 , 松沢佑次
ページ範囲:P.499 - P.500
[同義語]EC 2.7.1.11 ATP:D-fructose-6-phosphate 1-phosphotransferase,6-phospho-fructokinase,6-phosphofructo-1-kinase,phos-phohexokinase,PFK-1
[構成員]大腸菌(PFK-A,PFK-B),酵母(PFK1,PFK2),哺乳類とくに齧歯類(PFK-A,PFK-B,PFK-C),ヒト(PFK-M,PFK-L,PFK-P)など
リゾチーム/α-ラクトアルブミンスーパーファミリー
著者: 新田勝利
ページ範囲:P.501 - P.502
[構成員]カルシウム非結合性リゾチーム(コンベンショナルリゾチーム),カルシウム結合性リゾチーム(カルシウムリゾチーム),α-ラクトアルブミン
概説
アミノ酸残基数が119(カイコガリゾチーム)-130(ヒトリゾチームなど)で,4個のジスルフィド結合をもつ小さな単純タンパク質であるが,ウサギやカモノハシのα-ラクトアルブミンは糖が結合した糖タンパク質である。リゾチームは1922年にA. Fleming(ペニシリンの発見者と同一人物)によって発見された。バクテリア細胞壁のペプチドグリカンのN-アセチルムラミン酸とN-アセチルグルコサミンの間のβ1→4結合を加水分解する酵素である。基質特異性,分子量などの違いからニワトリ型,ガチョウ型,ファージリゾチームが知られているが,このスーパーファミリーに属するのはこれらの内のニワトリ型リゾチーム(lysozyme c)であり,上記のカルシウム非結合性と結合性のリゾチームを含む。
組織プロテアーゼ
セリンプロテアーゼスーパーファミリー
著者: 高橋健治
ページ範囲:P.492 - P.493
[構成員]①キモトリプシンファミリー:エンテロペプチダーゼ,カテプシンG,組織カリクレイン,白血球エラスターゼ,キマーゼ,トリプターゼ,組織プラスミノーゲンアクチベーター,ミエロブラスチン,グランザイム,ヘプシン,メダラシン,トニン。②サチライシンファミリー:フリン,脳下垂体コンベルターゼ(PC1,PC2,PC3,PC6,PACE4など),トリペプチジルペプチダーゼⅡ。③プロリルオリゴペプチダーゼファミリー:ジペプチジルペプチダーゼⅣ,アシルアミノアシルペプチダーゼ,プロリルオリゴペプチダーゼ。④カルボキシペプチダーゼCファミリー:リソゾームカルボキシペプチダーゼA。⑤リソゾームPro-Xカルボキシペプチダーゼファミリー:リソゾームPro-Xカルボキシペプチダーゼ。⑥その他のファミリー:エンドペプチダーゼLaファミリー(ミトコンドリア由来プロテアーゼLa様プロテアーゼを含む),高分子・多機能プロテアーゼ(プロテアソーム)ファミリー,真核生物シグナルペプチダーゼファミリーなどもおそらくセリンプロテアーゼスーパーファミリーに属するものと推定されている。
概説
セリンプロテアーゼは活性部位に触媒基の一つとして必須セリン残基をもつプロテアーゼの総称である。キモトリプシン,トリプシンなどの消化管酵素やサチライシンなどの細胞外酵素の研究から始まり,細胞外,細胞内において最も多数の酵素が見出されている。
システインプロテアーゼスーパーファミリー
著者: 佐々木實
ページ範囲:P.494 - P.496
[構成員]表1参照
概説
現在Enzyme Nomenclature1)に集録されているシステインプロテアーゼ(システインエドペプチダーゼ)の数は23種類であり,そのなかでシステインプロテアーゼスーパーファミリーに属すると思われるプロテアーゼは十数種類におよぶ。これらの大部分は,全アミノ酸配列や塩基配列が決定されていて間違いなくこのスーパーファミリーに属すると判定されるものであるが,なかには部分構造しか決まっていなかったり,相同性が低く判定が微妙なものも一部含まれる。システインプロテアーゼの初期の研究は植物や微生物由来のプロテアーゼについて行われたが,なかでもパパインは先駆的役割を果たし,1970年にはその全一次構造が決定された2)。
ケキシン様プロテアーゼファミリー
著者: 松田佳子
ページ範囲:P.497 - P.498
[同義語]Kex2様プロテアーゼ
[構成員]ケキシン(EC3.4.21.61),フリン/SPC1,PC2/SPC2,PC3/SPC3,PACE4/SPC4,PC4/SPC5,PC6/SPC6,PC7/SPC7,Dfur1,Dfur2,dKLIP-1
酵素阻害剤 プロテアーゼ阻害剤
シスタチンスーパーファミリー
著者: 荒井綜一
ページ範囲:P.503 - P.504
[構成員]ファミリー1,ファミリー2,ファミリー3,およびフィトシスタチン(提唱中)
概説
システインプロテイナーゼを特異的に阻害するタンパク質をシスタチンと総称する1)。従来,動物の組織・生産物に存在するシスタチンが主に分子クローニングの手法によって研究され,アミノ酸配列が推定されてきた。Barrettら1)はこれらの結果を踏まえ,シスタチンを三つのファミリーに分類し,全体をシスタチンスーパーファミリーとして統括した(図1)。
セルピンスーパーファミリー
著者: 篠原兵庫
ページ範囲:P.505 - P.507
[構成員]α1-アンチトリプシン(AT:多くのセリンプロテアーゼを阻害するが,その中でトリプシンに対する阻害活性は最も弱い1)。そのためα1-アンチプロテアーゼ(AP),α1-プロテアーゼインヒビターとも呼ばれている),α1-アンチキモトリプシン(ACT),α2-アンチプラスミン,プラスミノゲンアクチベーターインヒビター-1および-2(PA I-1および-2),アンチトロンビンⅢ,ヘパリンコファクター2,Protein Cインヒビター,C1-インヒビター,プロテアーゼネクシン-1,コントラプシン(CP)
現在知られている構成員はおそらく百指に余り,しかも毎年増加している2)。上記は哺乳類における代表的な構成員である。現在,これら遺伝子族をどう細分化するかについては定説がない。本特集においてはプロテアーゼ阻害活性を示すものをセルピンスーパーファミリー,残りをオボアルブミンスーパーファミリーとして扱う。しかし反応部位(reactive site)の一つのアミノ酸が変異しただけで阻害活性を失う例もあり,阻害活性の有無は分子構造全体を反映してはいない。また分子系統樹をみても両者は別々のクラスターを作らない(655頁「オボアルブミンスーパーファミリー」図1参照)。つまり本特集の扱いは便宜的なものであり,最近は両者をまとめてセルピンスーパーファミリーと呼ぶことが多い。
クーニッツタイププロテアーゼ阻害剤スーパーファミリー
著者: 寺田成之
ページ範囲:P.508 - P.509
[構成員]セリンプロテアーゼ(トリプシン,キモトリプシン,サブチリシン,プラスミノーゲンアクチベータ,エラスターゼ)阻害剤ファミリー,α-アミラーゼ/サブチリシン双機能性阻害剤ファミリー,酸性プロテアーゼ阻害剤ファミリー,システインプロテアーゼ阻害剤ファミリー,非阻害剤ファミリー(貯蔵タンパク質,味覚修飾タンパク質,損傷誘導タンパク質が含まれる)
概説
1946年,Kunitzによって結晶として単離され,小出ら1)によって構造決定がなされた大豆トリプシン阻害剤は,クーニッツ型プロテアーゼ阻害剤ファミリーとして最初のもので,トリプシン以外にキモトリプシンを弱く阻害する。その後多くのマメ科植物から相同なセリンプロテアーゼ阻害剤が単離された。さらに,α-アミラーゼとサブチリシンを阻害する双機能性阻害剤,酸性プロテアーゼやシステインプロテアーゼ阻害剤,貯蔵タンパク質,味覚修飾タンパク質,損傷誘導タンパク質など機能を異にする様々なタンパク質群がクーニッツ型に属することが示され2),これらが一大ファミリーを形成するに至った。図1にはクーニッツ型タンパク質の系統樹を示す。シカクマメアルブミンを別にすれば,これらはセリンプロテアーゼ阻害剤群,ジャガイモ酸性プロテアーゼ/システインプロテアーゼ阻害剤群,貯蔵タンパク質群の3群に大別され,同じプロテアーゼ阻害剤とはいっても前二者は進化のラインが異なるようである。
8.信号伝達系 細胞間 ホルモン
インスリンスーパーファミリー
著者: 伊藤信行
ページ範囲:P.512 - P.513
[構成員]インスリン,IGF-Ⅰ,IGF-Ⅱ,リラキシン,Ley Ⅰ-L,Bombyxin,MIP,LIRP
概説
インスリンは血糖降下作用を示すホルモンとして発見された。インスリンは最初に単離されたホルモンであり,また,その構造が最初に決定されたタンパク質でもある。インスリンに構造が類似した哺乳動物の生理活性ペプチドとして,IGF-Ⅰ,IGF-Ⅱ,リラキシンなどが見つけられている(図1)。さらに,最近,新しいインスリンファミリーペプチドをコードする遺伝子(Ley Ⅰ-L遺伝子)が同定されている。
成長ホルモン/プロラクチン遺伝子スーパーファミリー
著者: 小野雅夫
ページ範囲:P.514 - P.516
[構成員]GH,PRL,PL,CS,PLP,PLF,SL
概説
成長ホルモン(GH)とプロラクチン(PRL)は,脊椎動物の脳下垂体で産生される180-200アミノ酸残基の蛋白ホルモンで,アミノ酸配列のみならず遺伝子構成が互いに類似していることから,GH/PRLファミリー1,2)と呼ばれている。哺乳動物の胎盤では,このファミリーに属する多種類の蛋白が見出されている。これらには胎盤性ラクトゲン(placental lactogen,PL),絨毛性ソマトマモトロピン(chorionic somatomammotropin,CS),プロラクチン様蛋白(prolactin-likeprotein,PLP),プロリフェリン(proliferin,PLF)という名前が付けられているが,GH/PRLのようにすべての哺乳動物に存在するのではなく,大部分は特定の動物種にのみ見出される不可思議な進化を遂げた蛋白である。ソマトラクチン(somatolactin,SL)3)は,硬骨魚類の脳下垂体の中葉に見出されたGH/PRLファミリーに属する,新しい脳下垂体ホルモンの可能性が高い蛋白で,調べられた範囲内では全ての魚類の脳下垂体に見出されているが,魚類以外の脊椎動物では確認されていない。
成長ホルモン放出因子スーパーファミリー
著者: 川上康 , 山下亀次郎
ページ範囲:P.517 - P.519
[同義語]growth hormone-releasing hormoneの略としてGHRHまたはGRHが用いられる。また,growth hormone-releasing factor(GRF)とも呼ばれる。
[構成員]GHRH1-44,GHRH1-40,GHRH1-37
サイトカイン
血管ペプチド
エンドセリンファミリー
著者: 沢村達也 , 眞崎知生
ページ範囲:P.524 - P.525
[構成員]①リガンド:ET-1,ET-2,ET-3,②受容体:ETA受容体,ETB受容体,③ET変換酵素:Ia,Ib,II
概説
エンドセリン(ET)ファミリーは,いずれも21アミノ酸残基からなる3種のペプチドである。ET-1は1回の投与で数時間におよぶ血圧上昇を惹起する強力な血管収縮因子として,ブタ大動脈血管内皮細胞の培養上清中から1988年単離構成決定された1)。当時,血管のトーヌスが神経性の調節に加えて,内皮細胞による調節が重要であることが,現在一酸化窒素として同定されている内皮由来血管弛緩因子の発見により明らかにされていたため,同じ内皮細胞由来で一酸化窒素に対峙する収縮物質として,その強力な収縮活性と相まって非常に注目を集めた。ET-2,ET-3はゲノム遺伝子から発見され,実際に発現していることはノーザン解析,ある種のcell lineおよび中枢神経系からの単離により示された。
細胞内 接着分子
イムノグロブリンスーパーファミリー
著者: 水谷仁
ページ範囲:P.526 - P.529
[同義語]特にない
[構成員]IgG,TCR,MHC class I,MHCclass Ⅱ,CD2,CD3,CD4,CD8,CD22,CD28,CD31,CD48,LFA-3(CD58),CD66,CD67,B7-1(CD80),B7-2(B70,CD86),CTLA-4,Thy-1,FcγR Ⅰ(CD64),FcγR Ⅱ(CD32),FcγR Ⅲ(CD16),FcεR Ⅰ,ICAM-1(CD54),ICAM-2(CD102),ICAM-3(CDw50),VCAM-1(CD106),IL-1R type Ⅰ,IL-1R type Ⅱ,NCAM(CD56),PDGFR,Ll,MAG,PO,telencephalin,SC1,c-kit
インテグリンスーパーファミリー
著者: 高木淳一
ページ範囲:P.530 - P.532
[構成員]VLA-1~6,LFA-1,Mac-1,GPIIb-IIIaなど
概説
インテグリンはほとんどすべての動物細胞に存在する膜蛋白質で,細胞の主要な接着レセプターである。“integrin”という名前はintegral membrane proteinであることと,細胞外マトリックスと細胞骨格の両者のintegrityを司るという役割から付けられたが,もともとはニワトリの細胞の分子量140kDaのフィプロネクチンやラミニンに対するレセプターに対して付けられた名前であった1)。やがてこのレセプターと同様な構造をもつ接着レセプターが,種々の動物細胞で多数発見されるに至って,Hynesの提唱によってこれらを総称してインテグリンと呼ぶことになった2)。インテグリンはαとβの二つのサブユニットからなるヘテロダイマーで,2価金属イオン依存性に細胞外のリガンドと結合し,またその細胞内ドメインでテーリンやビンキュリンを介してアクチン線維と結合していると考えられている3)。今までに15種類のαサブユニットと8種類のβサブユニットが報告されているが,これらはまだ増えるかもしれない。次から次に新しいサブユニットが発見されたので,各インテグリンの命名法や分類法などが混乱していたが,複数のαサブユニットが同じβサブユニットを共有していたり,その逆もあったりするので,今では単にαxβyのように呼ぶのが一番誤解が少ないであろう。
インテグリンリガンドスーパーファミリー
著者: 斉藤佑尚
ページ範囲:P.533 - P.536
[構成員]アルボラブリン,バルブリン,フラボリディン,PH-30,キストリン,エキスタチン
概説
前項で述べられているように,極めて多種類のインテグリンが存在する。この多様性の故に,異なる細胞は異なるインテグリン分子を細胞表面に発現することが可能になり,それに伴って異なる(あるいは特異的な)リガンドを認識することが可能となる。また同一の細胞でも複数種のインテグリンを有し,その発現を調節し,異なる局面において異なるリガンドを認識することも可能である。以上要するに,全体として極めて複雑なインテグリン-リガンド相互作用,すなわち複雑な細胞接着の様子が浮かび上がってくる。これは多種類の細胞によって構成される生物にとっては非常に重要な意味をもつことになる。
カドヘリンスーパーファミリー
著者: 中島泉
ページ範囲:P.537 - P.539
[構成員]E,P,N,R,B,Mカドヘリン,desmocollins,desmogleins,カドヘリン5,Tカドヘリン,fat,ret
概説
細胞は互いに接着して組織・臓器を構築し機能する。この接着に関与する分子系の一つがカドヘリンとそのファミリーであり,免疫グロブリンスーパーファミリーやインテグリンファミリーの分子系とともに細胞間の接着を媒介する1,2)。
コネキシンファミリー
著者: 太田英彦
ページ範囲:P.540 - P.541
[同義語]コネキシン,ギャップ結合タンパク質
[構成員]コネキシン(connexin:Cx)ファミリーは構造の類似性から大きく二つのタイプ,すなわち肝臓などに見いだされるCx32を代表とするものと,心臓などに見いだされるCx43を中心とするものに分けられ,個々の構成員は分子量を添えて表記される。①βグループ(グループⅠ):Cx32(β1),Cx30(β1),Cx26(β2),Cx31(β3),Cx31.1(β4),Cx30.3(β5),Cx32(シロイヌナズナ),②αグループ(Ⅱ):Cx43(α1),Cx38(α2),Cx38(Xenopus,embryonic),Cx46(α3),Cx44(α3),Cx37(α4),Cx40(α5),Cx42(α6),Cx33(α7),Cx50, Cx45.6,Cx56など。
膜4回貫通型タンパクスーパーファミリー
著者: 義江修
ページ範囲:P.542 - P.544
[構成員]CD9/MRP-1/DRAP27,CD37,CD53/OX-44,CD63/ME491/Ptlgp40/AD1,CD81/TAPA-1/M38,CD82/C33/R2/IA4/4F9/KAI-1,CO-029,SAS,A15/CCG-B7/TALLA-1,TI-1/Uroplakin Ib,Uroplakin Ia,L6,RDS/Peripherin,Rom-1,Sm23,Sj23
概説
膜4回貫通型タンパクスーパーファミリー(Transmembrance 4 superfamily,Tetraspans superfamily:以下TM4SF)は,1990年に初めてその存在が知られるようになった膜タンパクファミリーである。遺伝子クローニングが進むにつれて,血液系の細胞表面マーカーや腫瘍マーカーなどがこのグループに属することが明らかになってきた。最近,シグナル伝達,細胞凝集,転移などとの関係でこのファミリーが注目されている。
受容体
G蛋白質共役型受容体スーパーファミリー
著者: 松岡一郎 , 柏柳誠 , 栗原堅三
ページ範囲:P.545 - P.549
[同義語]7回膜貫通型受容体スーパーファミリー
[構成員]光受容体ファミリー,神経伝達物質受容体ファミリー,神経ペプチド受容体ファミリー,ペプチドホルモン受容体ファミリー,走化性ペプチド受容体ファミリー,ペプチド性生理活性物質受容体ファミリー,嗅覚受容体ファミリーなど
FGF受容体ファミリー
著者: 遠山正彌
ページ範囲:P.550 - P.552
[構成員]FGF受容体(FGFR)1(flg型),FGFR2(bek型),FGFR3,FGFR4。その他,mRNAのスプライシングによるいくつかのvariantsの存在が報告されている(例,最外側のIg様ドメインの欠落,膜貫通構造を有しないもの,膜貫通部周辺のアミノ酸の置換など)1)。
概説
FGFRはFGFの生理機能発現の最初の受け皿として,細胞膜表面に存在する高親和性受容体として知られていたが,その一次構造の解明は,1989年WilliamsらによるトリFGFRのクローニングがその端緒となった。後にflg型と呼ばれるWilliamsらによるトリFGFRおよび,1990年ReidらによりクローニングされたマウスFGFRは,細胞膜を1回貫通する蛋白で細胞外にはIgG様ドメインを3個,細胞内にはチロシンキナーゼ(TK)ドメインを有し,EGFやPDNF受容体と基本的には同様の構造を有する(図1)。トリおよびマウスFGFRの遺伝子配列はヒト遺伝子flg型とほぼ同様の構造を有すること,また1990年マウスFGFRがクローニングされた時も,同じくしてDionneらにより既に報告されたFGFRと相同性の高い新たなFGFRが見いだされた(表1)。ここに到り前者をFGFR1(flg型),後者をFGFR2(bek型)と総称するようになった。
LDL受容体スーパーファミリー
著者: 浜口秀夫
ページ範囲:P.553 - P.555
[同義語]LDL受容体ファミリー
[構成員]LDL受容体1),VLDL受容体2),LDL受容体関連蛋白(α2-マクログロブリン受容体)3),糖蛋白330(gp 330)4),サブグループA Rous肉腫ウイルス受容体5),LDL結合モチーフ保有G蛋白共役受容体
T細胞抗原受容体スーパーファミリー
著者: 山崎哲男 , 斉藤隆
ページ範囲:P.556 - P.560
[構成員]T細胞抗原受容体α,β,γ,δ鎖;CD3γ,δ,ε,ζ,η鎖,Fc受容体γ鎖;pTα
概説
T細胞抗原受容体(TCR)による抗原認識シグナルは,未熟T細胞では分化,選択を,成熟細胞においては増殖,細胞死,不応答状態を惹起することが知られ,その解明は免疫学の一大テーマであり続けている。これら全ての免疫反応は抗原特異的で,クローン特異的なTCRが抗原を認識することに基づくため,その入り口に位置するTCRの構造決定を目指して精力的な研究が成されてきた。しかしながら,TCRの実体の同定は当初困難を極めた。それは,免疫グロブリンが細胞外に分泌され,抗原単独を認識するのとは対照的に,TCRは細胞表面蛋白質であり,なおかつ認識するものが抗原提示細胞上の組織適合性抗原(MHC)およびそれに結合した抗原ペプチドであることに起因していた。
TNF/NGF受容体スーパーファミリー
著者: 服部明 , 河野通明
ページ範囲:P.561 - P.563
[構成員]TNFRⅠ,TNFRⅡ,TNFRrp,LNGFR,Fas,CD40,CD27,CD30,4-1BB,OX40
概説
TNF/NGF受容体スーパーファミリーとは,TNF受容体の細胞外領域にみられるシステイン6残基を含む特異な領域(Cystein-Rich Repeat;CRR)を3~6回繰り返すという特徴的な構造をもつ膜貫通蛋白質群の総称で,各蛋白質をコードする遺伝子は同一の祖先遺伝子より進化してきたと考えられている。
アクチビン/TGF-β/BMPタイプⅠ・Ⅱ受容体ファミリー
著者: 上野直人
ページ範囲:P.566 - P.568
[構成員]アクチビンタイプⅠ,Ⅱ受容体,TGF-βタイプⅠ,Ⅱ受容体,BMPタイプⅠ,Ⅱ受容体
概説
1984年にTGF-βの全構造が解明されて以来,さまざまな生理活性物質がTGF-βに類似の構造を有することが明らかになり,TGF-βおよびその関連分子は非常に大きなファミリー(これをTGF-βスーパーファミリーと称する)を形成していることがわかってきた。それらは総じて,細胞の増殖や分化を調節する生体にとってきわめて重要な働きを担っている。したがって,それらの受容体に関する研究も早くから進められていた。そして遺伝子工学の進歩が突破口となり,最初にアクチビンの受容体構造が明らかにされた。その後,TGF-βスーパーファミリーに属するリガンドの受容体は,例外なく細胞内領域にセリン/スレオニンキナーゼをもつ受容体であることが判明し,次々に新しい受容体型セリン/スレオニンキナーゼがクローニングされた。そしてリガンド同様に,受容体も大きなファミリーを形成していることが明らかになり,細胞増殖因子の新しい細胞内情報伝達機構として注目されている。
サイトカイン受容体ファミリー
著者: 山口祐司
ページ範囲:P.569 - P.572
[構成員]IL-2Rα,IL-2Rβ,IL-2Rγ,IL-3Rα,IL-3Rβ,IL-4R,IL-5Rα,IL-6Rα,IL-7Rα,IL-9Rα,IL-11Rα,IL-12p40,IL-13Rα,IL-15Rα,IL-15Rβ,GM-CSFRα,common receptors to IL-3,IL-5,GM-CSF,EPOR,GHR,PLR,gp130,LIFR,IFNα/βR,IFN-γR,mpL,CNTFRα
概説
インターロイキンやコロニー刺激因子に代表される一群のサイトカインは,免疫系・造血系だけでなく神経系・血管系など多彩な生理活性を有している。リコンビナントサイトカインのin vitroおよびin vivoの研究から,サイトカインはそれぞれ多様な機能を有し,多種類の特異的レセプターとの相互作用を介してその生物活性を発揮する。これらのサイトカインの特徴は,その生物活性の多様性(pleiotropy)と重複性(redundancy)にある。即ち,一つのサイトカインは種々の異なった標的細胞に多彩な生物活性を有し(pleiotropy),また,異なるサイトカインが単一の細胞に対して同様の生物活性を示す(redundancy)。このように,数多くのサイトカインは多種類の細胞に作用して多様な機能を有し,サイトカインによるネットワークが形成され,免疫系・造血系を中心にして巧妙な制御機構により生体の調節を保っている。
スカベンジャー受容体スーパーファミリー
著者: 土井健史 , 今西武 , 児玉龍彦
ページ範囲:P.573 - P.574
[構成員]①機能からみた受容体ファミリー:マクロファージスカベンジャー受容体,Fc受容体,CD36,SR-BI,94-97kDaタンパク質,MARCO,②アミノ酸配列相同受容体ファミリー:SRCRファミリー
概説
生体内のコレステロール代謝には,BrownGoldsteinらにより明らかにされたLDL(低密度リボ蛋白質)受容体を介する経路の他に,修飾LDLを取り込むスカベンジャー経路が存在する。動脈硬化の発症はこのスカベンジャー経路に由来するが,受容体の存在は,1988年の児玉らによる単離1990年のcDNAクローニングにより明らかにされた。この受容体の酸化LDL(OxLDL)の取り込みは,アセチル化LDL(AcLDL)により完全に阻害されるが,マクロファージには阻害されない活性が残ることから,他の受容体の存在が示唆された。そして,OxLDLと結合する分子としてFc受容体,CD36,SR-BIなどがみつけられた。また,スカベンジャー受容体Ⅰ型のシステインリッチ(CR)ドメインと類似の構造を有するタンパク質が種々明らかになっている。さらに最近,CRドメインとコラーゲン様構造を有するMARCOと呼ばれる受容体が単離された。これらの他に,広いリガンド結合能を有する受容体として,修飾アルブミン結合受容体,LDL受容体関連タンパク質などが存在するが省略し,存在が提唱され精製が進んでいるものに限り述べる。
ソマトスタチン受容体ファミリー
著者: 山田祐一郎 , 清野裕
ページ範囲:P.575 - P.577
[構成員]SSTR1,SSTR2A,SSTR2B,SSTR3,SSTR4,SSTR5
概説
下垂体からの成長ホルモン分泌を抑制する生理活性ペプチドとして,Brazeauら1)により視床下部から単離されたソマトスタチンは,その後,中枢神経系のみならず膵,消化管,末梢神経など広く体内各組織において存在することが示された。また14個のアミノ酸からなるソマトスタチンー14(SS-14)のほか,N端にさらに14個延長したソマトスタチン-28(SS-28)も同定された。これらソマトスタチンファミリーは,哺乳動物においては単一の遺伝子より転写翻訳され,できた共通の前駆体プロソマトスタチンからプロセシングの違いにより生成される。その作用はインスリン・グルカゴン・セクレチンなどの種々のホルモンや胃・膵などの外分泌腺の分泌を抑制することのほか,中枢神経系における神経の伝達にも関与するなど広範囲にわたる。
ステロイド/サイロイドホルモン受容体スーパーファミリー
著者: 広瀬進
ページ範囲:P.578 - P.580
[同義語]核内ホルモン受容体,核内受容体
[構成員]グルココルチコイド受容体(GR),エストロゲン受容体(ER),プロゲステロン受容体(PR),アンドロゲン受容体(AR),サイロイドホルモン受容体(TR),レチノイン酸受容体(RAR),レチノイドX受容体(RXR),ビタミンD3受容体(VDR),エクダイソン受容体(ECR)など
GTPase
GTPaseスーパーファミリー
著者: 永田浩一 , 野澤義則
ページ範囲:P.581 - P.583
[同義語]GTP結合蛋白質スーパーファミリー
[構成員]蛋白質伸長因子・翻訳開始因子,三量体GTP結合蛋白質スーパーファミリー(Gs,Gi,GqおよびG12ファミリーよりなる),低分子量GTPaseスーパーファミリー(Ras,Rab,ARF,SarlおよびRanファミリーよりなる)
RasGTPase活性化タンパク質ファミリー
著者: 小林まり子 , 信國宇洋 , 岩下新太郎
ページ範囲:P.584 - P.586
[同義語]GTPase促進タンパク質,GTPase-stimulating protein
[略号]GAP
[構成員]p120GAP,p100GAP,NF1-type Ⅰ,NF1-type Ⅱ,GAP1m,IQGAP1,GAP1(Drosophila),TcD37(Drosophila),Sarl/Gapl(S. Pombe)IRA1(S. cerevisiae),IRA2(S. cerevisiae),BUD2(S. cerevisiae)
プロテインキナーゼ
MAPキナーゼスーパーファミリー
著者: 森口徹生 , 後藤由季子 , 西田栄介
ページ範囲:P.587 - P.588
[同義語]mitogen-activated proteinキナーゼ,MAPK
[構成員]脊椎動物:①MAPキナーゼファミリー(哺乳類で2種類,両生類で1種類の存在が知られている);p42MAPキナーゼ/erk2,p44MAPキナーゼ/erk1(以上2種類は哺乳類),MAPキナーゼ(アフリカツメガエル)。②SAPK(stress-activated protein kinase)/JNK(Jun N-teminal kinase)ファミリー(SAPKαとJNK2,SAPKγとJNK1がそれぞれ相同と考えられている);SAPKα,SAPKβ,SAKγ(以上3種類ラット),JNK1,JNK2(以上2種類ヒト),p493F12キナーゼ(ヒト)が報告され,SAPKβ相同遺伝子と考えられている。③p38/MPK2ファミリー;p38(ヒト,マウス),MPK2(アフリカツメガエル),別グループからCSBP1,CSBP2(ヒト)が報告されている。④その他の真核生物:DmERK-A/rolled(ショウジョウバェ),sur-1/mpk-1(線虫),erk1(タマホコリカビ),spk1(分裂酵母),KSS1,FUS3,MPK1/SLT2,SMK1(以上出芽酵母)。
srcファミリーチロシンキナーゼ
著者: 中村和史 , 木村比登史 , 淀井淳司
ページ範囲:P.589 - P.591
[構成員]Src,Yes,Fyn,Lck,Fgr,Hck,Lyn,Blk,Yrk
概説
チロシンキナーゼは受容体型のチロシンキナーゼと,非受容体型のチロシンキナーゼの大きく二つのカテゴリーに分類される。非受容体型のチロシンキナーゼとは,EGF(Epidermal Growth Factor)レセプターやPDGF(Platelet-Derived Growth Factor)レセプターなどの受容体型チロシンキナーゼと異なり,細胞膜貫通部および細胞外領域をもたない構造のチロシンキナーゼの総称である。srcファミリーチロシンキナーゼはこの非受容体型チロシンキナーゼに属し,500から530アミノ酸残基からなる類似の構造をもったチロシンキナーゼで,N末端のグリシン残基に付加されたミリスチン酸を介して細胞膜に結合している。srcファミリーチロシンキナーゼのメンバーとして,Src,Yes,Fyn,Lck,Fgr,Hck,Lyn,Blk,Yrkの九つのキナーゼが知られている。
プロテインキナーゼCファミリー
著者: 鈴木厚 , 大野茂男
ページ範囲:P.592 - P.593
[構成員]cPKC,nPKC,aPKCなど
概説
プロテインキナーゼC(以下,PKC)は,Ca2+,リン脂質依存性セリン/スレオニンキナーゼとしてまず生化学的に同定された(1979)。そして,刺激にともなうリン脂質代謝昂進の結果生じるセカンドメッセンジャー,ジアシルグリセロール(DG)や,TPAなどのホルボルエステル(PE)型の発癌プロモーターがその活性を上昇させることが明らかとされ,細胞内情報伝達系に深く関わるキナーゼとして多くの研究者の関心を集めてきた。TPAによって活性化されるという性質は,多くの細胞系においてPKCを選択的に活性化する手段として大いに利用され,増殖制御から免疫応答,神経機能に至るさまざまな情報伝達機構にPKCが関与しているというデータが蓄積されてきた。しかし,当初単一の分子と考えられていたこのキナーゼには,多数の分子種が存在することがいまや明らかとなっており,その研究状況はむしろ複雑さを増すに至っている。
9.膜輸送体
ATP結合カセットトランスポータスーパーファミリー
著者: 植田和光
ページ範囲:P.596 - P.598
[同義語]ABC輸送体スーパーファミリー,ABCトランスポータスーパーファミリー,ABCスーパーファミリー,トラフィックATPaseスーパーファミリー
[構成員]哺乳類:ALDP/PMP70,CFTR,MDR1,MDR2,MRP,SUR,TAP1/TAP2,ハエ:white/brown,Mdr49,65,植物:atpgp1,MbpX,酵母:ADP1,ATM1,PDR5/YDR1/STS1,SNQ2,STE6,YCF1,pmd1,HMT1,微生物:AmiABCDEF,AprDEF,AraFGH,BtuC-DE,ChlJD,ComA,CrtCD,CysPTWAM,CydCD,CvaB,DciA,Dpp,DrrAB,FhuBCD,FecBCDE,GlnHPQ,HisJQMP,HlyB,KpsMT,LivHMGF(JK),MalEFGK,MsrA,NosDYF,Opp(SpoOK),OppABCDF,ProU(VWX),PstABC,Phn/Psi,RbsACD,SfuABC,TlrC,UgpABCDなど
アクアポリンファミリー
著者: 佐々木成
ページ範囲:P.599 - P.601
[同義語]水チャネル,water channel
[構成員]現在までに7種のアクアポリン(aquaporin,AQPと略す)が同定されている(表1)。最初はaquaporin-CD(collecting ductの略)のようにその特徴に因んだ名前がつけられたが,最近aquaporin-1(AQP1)のように番号で呼ぶ方式に統一されてきている1)。
Glutファミリー
著者: 笠原道弘
ページ範囲:P.602 - P.604
[同義語]グルコーストランスポータファミリー,糖輸送体ファミリー
[構成員]原核生物から単細胞真核生物,多細胞真核生物まで広く分布している1-3)。動物細胞(表1),動物細胞以外の真核細胞(表2),原核細胞(表3)のメンバーをあわせて80種以上のものが知られている。
ミトコンドリア輸送タンパクスーパーファミリー
著者: 山﨑尚志 , 篠原康雄 , 寺田弘
ページ範囲:P.605 - P.607
[同義語]なし
[構成員]ADP/ATP透過担体,リン酸透過担体,脱共役タンパク質,α-ケトグルタル酸透過担体,クエン酸透過担体ほかミトコンドリア内膜に存在する基質特異的な透過担体,およびhGT-7,MRS3,MRS4,Bt-1,PMP47
膜2回貫通型K+チャネルスーパーファミリー
著者: 近藤千香子 , 高橋尚彦 , 倉智嘉久
ページ範囲:P.608 - P.610
[同義語]内向き整流特性を示すK+チャネルスーパーファミリー
[構成員]古典的な内向き整流K+チャネルのファミリー(IRK1,IRK2,IRK3),想定ATP結合部位をもつK+チャネルのファミリー(ROMK1/KAB-1,KAB-2),G蛋白で直接活性化されるムスカリン性K+チャネルのファミリー(GIRK1,GIRK2,GIRK3),ATP感受性K+チャネルのファミリー(cKATP-1,uKATP-1)
10.細胞骨格
スペクトリンスーパーファミリー
著者: 今村道博
ページ範囲:P.612 - P.614
[構成員]スペクトリン:spectrin,TW260/240,fodrin(calspectin),α-アクチニン:α-actinin(actinogelin),ジストロフィン:dystrophin,dystrophin related protein(DRP,utrophin)
概説
アクチン系細胞骨格の構築蛋白質であるα-アクチニンの全一次構造が決定されると,そのアミノ基端にはアクチン結合構造が存在し,カルボキシル基端にはカルシウム結合構造(EF-ハンドモチーフ)が存在すること,そしてスペクトリン分子中に認められる約100アミノ酸残基からなる繰り返し構造様のモチーフが,これらの構造に狭まれる形で保存されていることが示された1)。時期を同じくしてDuchenne型筋ジストロフィーの原因遺伝子にコードされる蛋白質(ジストロフィン)と,赤血球膜の裏打ち構造を構成するスペクトリンの全一次構造が決定されたが,これらはいずれもα-アクチニン分子と類似した構造単位を有することが示された(図1)。これらの蛋白質群をスペクトリンスーパーファミリーと呼ぶようになったのは,ショウジョウバエβ-スペクトリンの全一次構造を報告したByersらが,その論文誌上においてこれを提唱したためである2)。
バンド4.1スーパーファミリー
著者: 今村道博
ページ範囲:P.615 - P.616
[構成員]バンド4.1タンパク質:band 4.1 protein(protein 4.1),ERMファミリー:radixin,moesin,ezrin(cytovillin),merlin(schwannomin),PTPH1ファミリー:PTPH1,PTPase MEG,NBL:NBL1,NBL2,NBL3,NBL4,NBL5,NBL6,NBL7,タリン:talin(P235)
概説
バンド4.1タンパク質の名は,ヒト赤血球膜をSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた時に認められる蛋白質バンドを,分子量の大きいものから順に番号を付けたことに由来する1)。1989年に小腸上皮の微絨毛に存在する蛋白質,エズリン(Ezrin)の一次構造が決定され,この分子のアミノ基末端約300残基の配列がバンド4.1蛋白質のアミノ基端配列と類似性をもつことが示された。その後,この領域に類似性をもつ複数の蛋白質が報告され,バンド4.1スーパーファミリーと呼ばれるようになった。Takeuchiら2)によれば,このスーパーファミリーはバンド4.1タンパク質,ERMファミリー,PTPH1ファミリー,NBL4,タリンの五つのファミリーに分類される。
中間径フィラメントファミリー
著者: 亀井良政 , 稲垣昌樹
ページ範囲:P.620 - P.623
[同義語]10nmフィラメント
[構成員]①サイトケラチン(ケラチン)蛋白質:type Ⅰ(酸性)サイトケラチン蛋白質,type Ⅱ(中性/塩基性)サイトケラチン蛋白質,②ビメンチン様蛋白質(type Ⅲ 中間径フィラメント蛋白質):ビメンチン,デスミン,グリア線維酸性蛋白質(GFAP),ペリフェリン,③ニューロフィラメント(NF)蛋白質:NF-L,NF-M,NF-H,④ネスチン,⑤核ラミン(後述)
ラミンファミリー
著者: 亀井良政 , 稲垣昌樹
ページ範囲:P.624 - P.625
[構成員]①type Aラミン:ラミンA,ラミンC,②type Bラミン:ラミンB1,ラミンB2
概説
ラミンは,核ラミナ(nuclear lamina)の構成蛋白質として,1980年に命名された核蛋白質である1)。核ラミナは,厚さ10~20nmの網目構造であり,真核細胞の内核膜の核質側を裏打ちして核の形態維持や核膜とクロマチンの結合に関与すると考えられている。ラミン蛋白質の分子量は60~75kDaである。
11.収縮タンバク
ミオシンスーパーファミリー
著者: 野々村禎昭
ページ範囲:P.628 - P.630
[構成員]ミオシンⅠ~Ⅸ
概説
現在,ミオシンスーパーファミリーは九つのクラスから成っている。歴史的にもっとも古くから研究されてきたのは,クラス2のミオシンⅡである。ミオシンⅡについては別に書かれているので,ここでは他のクラスについて簡潔に概説する。以下,クラスをいちいちつけるのはやめてミオシンⅠ,Ⅱ,Ⅲというように表現する。ここでミオシンといっているのは重鎖を意味しており,軽鎖については別問題である。本来ミオシンの定義はミオシンⅡについてなされてきた。すなわちミオシンは二つの頭をもち,この頭部にアクチンの結合部位と,ATPアーゼとしての酵素活性部位があり,頸部には軽鎖が結合し調節部位としての性質をもつ。尾部はフィラメント重合部位である。しかしミニミオシンといわれたミオシンⅠの登場はミオシンの概念を大きく変えた。このようにミオシンⅠはミオシンⅡにはるか遅れて登場したが,ミオシンの全アミノ酸配列の決定はミオシンⅠの方が早く,以下構造が決った順にⅡ,Ⅲ…と続いていく。
ミオシンスーパーファミリー ミオシンⅡファミリー
著者: 高橋正行
ページ範囲:P.631 - P.632
[同義語]conventional myosin
[構成員]sarcomeric(skeletal and cardiac muscle)type,smooth muscle type,nonmuscle type(cytoplasmic type,cellular typeともいう)
アクチンファミリー
著者: 須藤和夫
ページ範囲:P.633 - P.634
[同義語]なし
[略号]act
[構成員]actin,ACT2,centractin,RPV-actin,actin-related protein
トロポニンC/ミオシンL鎖/カルモジュリンスーパーファミリー
著者: 高木尚
ページ範囲:P.635 - P.638
[構成員]TnC,ELC,RLC,CaM
概説
トロポニンC(TnC),ミオシンL鎖(必須軽鎖Essential Light Chain;ELCと調節軽鎖Regulatory Light Chain;RLCの2種類)とカルモジュリン(CaM)はEF-ハンドスーパーファミリーに属し,機能しているかどうかは別にして4個のカルシウム結合ドメインをもっている。EF-ハンドスーパーファミリーについては452頁「結合タンパク」の章の「カルシウム結合蛋白質」の項で解説してある。EF-ハンド型カルシウム結合タンパク質の祖先は一つのEF-ハンドドメインからなり,それが遺伝子重複を引き起こし2個のドメンになり,更に遺伝子重複を繰り返し4個のドメインをもつカルシウム結合タンパク質になったと考えられている。6個,8個のドメインをもつのもあるが,それらは更に遺伝子重複が繰り返されたものであろう1,2)。
12.免疫 急性相プロテイン
補体
C3/C4/C5補体成分ファミリー
著者: 野中勝
ページ範囲:P.642 - P.644
[同義語]チオエステル結合含有タンパクファミリー
[構成員]C3,C4,C5,α2マクログロブリン(α2M),Pregnancy Zone Protein(PZP),α1-Protease Inhibitor,α1-Inhibitor Ⅲ,Ovostatin
13.がんマーカータパク
CEAファミリー
著者: 下方薫 , 長谷川忠男
ページ範囲:P.646 - P.648
[構成員]CEA(carcinoembryonic antigen),NCA(nonspecific cross-reacting antigen),BGP(biliary glycoprotein),CGM(CEA gene family member),PSG(pregnancy specific glycoprotein)
概説
CEAファミリーは免疫グロブリンスーパーファミリーに属し,免疫グロブリンに類似するドメイン構造をもつ。CEAファミリーは二つのサブファミリーからなる。一つはCEAとCEA関連抗原であるNCA,BGP,CGMからなるCEAサブファミリーであり,もう一つはPSGサブファミリーである。両サブファミリーの違いはC末端ドメイン構造にある。CEAサブファミリーはGPI(グリコシルポスファチジルイノシトール)を介して細胞膜に結合するGPI結合型(CEA,NCA,CGM6)か,膜貫通型(BGP,CGM1,CGM7)をとるのに対し,PSGサブファミリーは分泌型であることが特徴である。最近,第三のサブファミリーの存在が提唱されている。CEAサブファミリーのなかには,細胞接着活性を有するものがあり,癌転移との関連で注目されている。
14.組織特異タンパク
オボアルブミンスーパーファミリー
著者: 篠原兵庫
ページ範囲:P.655 - P.656
[構成員]オボアルブミン,チロキシン結合グロブリン(TBG),コルチゾール結合グロブリン(CBG),アンジオテンシノゲン,色素上皮由来因子(PEDF:pigment epithelium-derived factor),偏平上皮癌抗原(SCCA:squamous cell carcinoma antigen),オオムギ蛋白質Z,アフリカツメガエルEp45,ヒツジ子宮内乳蛋白質(uterine milk protein:UTMP),ニワトリ蛋白質Y
概説
ZuckerkandlとPaulingにより分子進化の概念が提出されると間もなく,Dayhoffらは世界中から蛋白質の一次構造のデータを集めて整理し,その進化を研究した。その過程でいくつかの蛋白質間の予想外の類縁関係が明らかになった。しかしそれらは予想できなかったとはいえ,得られた結論は納得のいくものであった。例えば,トリプシンとエラスターゼが共通の祖先遺伝子から進化してきたことはすぐに理解できた。そのうち結果を見てもすぐには納得できないような類縁関係がぼつぼつ見つかるようになった。その一つの例がオボアルブミンスーパーファミリーである。Dayhoffらはアンチトリプシン,アンチトロンビン,オボアルブミンの三者間にほぼ同程度の相同性を発見し,速報として発表した1)。
レンズタンパクスーパーファミリー
α-クリスタリン低分子量HSPファミリー
著者: 加藤兼房
ページ範囲:P.650 - P.652
[構成員]哺乳動物のα-クリスタリン低分子量HSPファミリーには以下のメンバーが存在する。
αA-クリスタリン,αB-クリスタリン,HSP27(HSP25,HSP27,HSP28),p20
δ―クリスタリンファミリー
著者: 近藤寿人
ページ範囲:P.653 - P.654
[構成員]δ-クリスタリン(δ-crystallin),アルギニノコハク酸リアーゼ(Argininosuccinatelyase,ASL)
概説
水晶体で大量に合成されるがクリスタリンと尿素サイクルの酵素 argininosuccinate lyase(ASL)は,高い類似性をもった蛋白質である。ASL遺伝子が遺伝子重複を起こした後にコードされる蛋白質が酵素活性を失って,δ-クリスタリンが生まれたと考えられている。
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60巻1号(2009年2月発行)
特集 遺伝子-脳回路-行動
59巻6号(2008年12月発行)
特集 mTORをめぐるシグナルタンパク
59巻5号(2008年10月発行)
特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
59巻4号(2008年8月発行)
特集 免疫学の最近の動向
59巻3号(2008年6月発行)
特集 アディポゲネシス
59巻2号(2008年4月発行)
特集 細胞外基質-研究の新たな展開
59巻1号(2008年2月発行)
特集 コンピュータと脳
58巻6号(2007年12月発行)
特集 グリケーション(糖化)
58巻5号(2007年10月発行)
特集 タンパク質間相互作用
58巻4号(2007年8月発行)
特集 嗅覚受容の分子メカニズム
58巻3号(2007年6月発行)
特集 骨の形成と破壊
58巻2号(2007年4月発行)
特集 シナプス後部構造の形成・機構と制御
58巻1号(2007年2月発行)
特集 意識―脳科学からのアプローチ
57巻6号(2006年12月発行)
特集 血管壁
57巻5号(2006年10月発行)
特集 生物進化の分子マップ
57巻4号(2006年8月発行)
特集 脳科学が求める先端技術
57巻3号(2006年6月発行)
特集 ミエリン化の機構とその異常
57巻2号(2006年4月発行)
特集 膜リサイクリング
57巻1号(2006年2月発行)
特集 こころと脳:とらえがたいものを科学する
56巻6号(2005年12月発行)
特集 構造生物学の現在と今後の展開
56巻5号(2005年10月発行)
特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
56巻4号(2005年8月発行)
特集 脳の遺伝子―どこでどのように働いているのか
56巻3号(2005年6月発行)
特集 Naチャネル
56巻2号(2005年4月発行)
特集 味覚のメカニズムに迫る
56巻1号(2005年2月発行)
特集 情動―喜びと恐れの脳の仕組み
55巻6号(2004年12月発行)
特集 脳の深部を探る
55巻5号(2004年10月発行)
特集 生命科学のNew Key Word
55巻4号(2004年8月発行)
特集 心筋研究の最前線
55巻3号(2004年6月発行)
特集 分子進化学の現在
55巻2号(2004年4月発行)
特集 アダプタータンパク
55巻1号(2004年2月発行)
特集 ニューロンと脳
54巻6号(2003年12月発行)
特集 オートファジー
54巻5号(2003年10月発行)
特集 創薬ゲノミクス・創薬プロテオミクス・創薬インフォマティクス
54巻4号(2003年8月発行)
特集 ラフトと細胞機能
54巻3号(2003年6月発行)
特集 クロマチン
54巻2号(2003年4月発行)
特集 樹状突起
54巻1号(2003年2月発行)
53巻6号(2002年12月発行)
特集 ゲノム全解読とポストゲノムの問題点
53巻5号(2002年10月発行)
特集 加齢の克服―21世紀の課題
53巻4号(2002年8月発行)
特集 一価イオンチャネル
53巻3号(2002年6月発行)
特集 細胞質分裂
53巻2号(2002年4月発行)
特集 RNA
53巻1号(2002年2月発行)
連続座談会 脳とこころ―21世紀の課題
52巻6号(2001年12月発行)
特集 血液脳関門研究の最近の進歩
52巻5号(2001年10月発行)
特集 モチーフ・ドメインリスト
52巻4号(2001年8月発行)
特集 骨格筋研究の新展開
52巻3号(2001年6月発行)
特集 脳の発達に関与する分子機構
52巻2号(2001年4月発行)
特集 情報伝達物質としてのATP
52巻1号(2001年2月発行)
連続座談会 脳を育む
51巻6号(2000年12月発行)
特集 機械的刺激受容の分子機構と細胞応答
51巻5号(2000年10月発行)
特集 ノックアウトマウスリスト
51巻4号(2000年8月発行)
特集 臓器(組織)とアポトーシス
51巻3号(2000年6月発行)
特集 自然免疫における異物認識と排除の分子機構
51巻2号(2000年4月発行)
特集 細胞極性の形成機序
51巻1号(2000年2月発行)
特集 脳を守る21世紀生命科学の展望
50巻6号(1999年12月発行)
特集 細胞内輸送
50巻5号(1999年10月発行)
特集 病気の分子細胞生物学
50巻4号(1999年8月発行)
特集 トランスポーターの構造と機能協関
50巻3号(1999年6月発行)
特集 時間生物学の新たな展開
50巻2号(1999年4月発行)
特集 リソソーム:最近の研究
50巻1号(1999年2月発行)
連続座談会 脳を守る
49巻6号(1998年12月発行)
特集 発生・分化とホメオボックス遺伝子
49巻5号(1998年10月発行)
特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998
49巻4号(1998年8月発行)
特集 プロテインキナーゼCの多様な機能
49巻3号(1998年6月発行)
特集 幹細胞研究の新展開
49巻2号(1998年4月発行)
特集 血管―新しい観点から
49巻1号(1998年2月発行)
特集 言語の脳科学
48巻6号(1997年12月発行)
特集 軸索誘導
48巻5号(1997年10月発行)
特集 受容体1997
48巻4号(1997年8月発行)
特集 マトリックス生物学の最前線
48巻3号(1997年6月発行)
特集 開口分泌のメカニズムにおける新しい展開
48巻2号(1997年4月発行)
特集 最近のMAPキナーゼ系
48巻1号(1997年2月発行)
特集 21世紀の脳科学
47巻6号(1996年12月発行)
特集 老化
47巻5号(1996年10月発行)
特集 器官―その新しい視点
47巻4号(1996年8月発行)
特集 エンドサイトーシス
47巻3号(1996年6月発行)
特集 細胞分化
47巻2号(1996年4月発行)
特集 カルシウム動態と細胞機能
47巻1号(1996年2月発行)
特集 神経科学の最前線
46巻6号(1995年12月発行)
特集 病態を変えたよく効く医薬
46巻5号(1995年10月発行)
特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
46巻4号(1995年8月発行)
特集 ストレス蛋白質
46巻3号(1995年6月発行)
特集 ライソゾーム
46巻2号(1995年4月発行)
特集 プロテインホスファターゼ―最近の進歩
46巻1号(1995年2月発行)
特集 神経科学の謎
45巻6号(1994年12月発行)
特集 ミトコンドリア
45巻5号(1994年10月発行)
特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
45巻4号(1994年8月発行)
特集 造血の機構
45巻3号(1994年6月発行)
特集 染色体
45巻2号(1994年4月発行)
特集 脳と分子生物学
45巻1号(1994年2月発行)
特集 グルコーストランスポーター
44巻6号(1993年12月発行)
特集 滑面小胞体をめぐる諸問題
44巻5号(1993年10月発行)
特集 現代医学・生物学の仮説・学説
44巻4号(1993年8月発行)
特集 細胞接着
44巻3号(1993年6月発行)
特集 カルシウムイオンを介した調節機構の新しい問題点
44巻2号(1993年4月発行)
特集 蛋白質の細胞内転送とその異常
44巻1号(1993年2月発行)
座談会 脳と遺伝子
43巻6号(1992年12月発行)
特集 成長因子受容体/最近の進歩
43巻5号(1992年10月発行)
特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
43巻4号(1992年8月発行)
特集 細胞機能とリン酸化
43巻3号(1992年6月発行)
特集 血管新生
43巻2号(1992年4月発行)
特集 大脳皮質発達の化学的側面
43巻1号(1992年2月発行)
特集 意識と脳
42巻6号(1991年12月発行)
特集 細胞活動の日周リズム
42巻5号(1991年10月発行)
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
42巻4号(1991年8月発行)
特集 開口分泌の細胞内過程
42巻3号(1991年6月発行)
特集 ペルオキシソーム/最近の進歩
42巻2号(1991年4月発行)
特集 脳の移植と再生
42巻1号(1991年2月発行)
特集 脳と免疫
41巻6号(1990年12月発行)
特集 注目の実験モデル動物
41巻5号(1990年10月発行)
特集 LTPとLTD:その分子機構
41巻4号(1990年8月発行)
特集 New proteins
41巻3号(1990年6月発行)
特集 シナプスの形成と動態
41巻2号(1990年4月発行)
特集 細胞接着
41巻1号(1990年2月発行)
特集 発がんのメカニズム/最近の知見
40巻6号(1989年12月発行)
特集 ギャップ結合
40巻5号(1989年10月発行)
特集 核内蛋白質
40巻4号(1989年8月発行)
特集 研究室で役に立つ新しい試薬
40巻3号(1989年6月発行)
特集 細胞骨格異常
40巻2号(1989年4月発行)
特集 大脳/神経科学からのアプローチ
40巻1号(1989年2月発行)
特集 分子進化
39巻6号(1988年12月発行)
特集 細胞内における蛋白質局在化機構
39巻5号(1988年10月発行)
特集 細胞測定法マニュアル
39巻4号(1988年8月発行)
特集 細胞外マトリックス
39巻3号(1988年6月発行)
特集 肺の微細構造と機能
39巻2号(1988年4月発行)
特集 生体運動の分子機構/研究の発展
39巻1号(1988年2月発行)
特集 遺伝子疾患解析の発展
38巻6号(1987年12月発行)
-チャンネルの最近の動向
38巻5号(1987年10月発行)
特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
38巻4号(1987年8月発行)
特集 視覚初期過程の分子機構
38巻3号(1987年6月発行)
特集 人間の脳
38巻2号(1987年4月発行)
特集 体液カルシウムのホメオスタシス
38巻1号(1987年2月発行)
特集 医学におけるブレイクスルー/基礎研究からの挑戦
37巻6号(1986年12月発行)
特集 神経活性物質受容体と情報伝達
37巻5号(1986年10月発行)
特集 中間径フィラメント
37巻4号(1986年8月発行)
特集 細胞生物学実験マニュアル
37巻3号(1986年6月発行)
特集 脳の化学的トポグラフィー
37巻2号(1986年4月発行)
特集 血小板凝集
37巻1号(1986年2月発行)
特集 脳のモデル
36巻6号(1985年12月発行)
特集 脂肪組織
36巻5号(1985年10月発行)
特集 細胞分裂をめぐって
36巻4号(1985年8月発行)
特集 神経科学実験マニュアル
36巻3号(1985年6月発行)
特集 血管内皮細胞と微小循環
36巻2号(1985年4月発行)
特集 肝細胞と胆汁酸分泌
36巻1号(1985年2月発行)
特集 Transmembrane Control
35巻6号(1984年12月発行)
特集 細胞毒マニュアル—実験に用いられる細胞毒の知識
35巻5号(1984年10月発行)
特集 中枢神経系の再構築
35巻4号(1984年8月発行)
特集 ゲノムの構造
35巻3号(1984年6月発行)
特集 神経科学の仮説
35巻2号(1984年4月発行)
特集 哺乳類の初期発生
35巻1号(1984年2月発行)
特集 細胞生物学の現状と展望
34巻6号(1983年12月発行)
特集 蛋白質の代謝回転
34巻5号(1983年10月発行)
特集 受容・応答の膜分子論
34巻4号(1983年8月発行)
特集 コンピュータによる生物現象の再構成
34巻3号(1983年6月発行)
特集 細胞の極性
34巻2号(1983年4月発行)
特集 モノアミン系
34巻1号(1983年2月発行)
特集 腸管の吸収機構
33巻6号(1982年12月発行)
特集 低栄養と生体機能
33巻5号(1982年10月発行)
特集 成長因子
33巻4号(1982年8月発行)
特集 リン酸化
33巻3号(1982年6月発行)
特集 神経発生の基礎
33巻2号(1982年4月発行)
特集 細胞の寿命と老化
33巻1号(1982年2月発行)
特集 細胞核
32巻6号(1981年12月発行)
特集 筋小胞体研究の進歩
32巻5号(1981年10月発行)
特集 ペプチド作働性シナプス
32巻4号(1981年8月発行)
特集 膜の転送
32巻3号(1981年6月発行)
特集 リポプロテイン
32巻2号(1981年4月発行)
特集 チャネルの概念と実体
32巻1号(1981年2月発行)
特集 細胞骨格
31巻6号(1980年12月発行)
特集 大脳の機能局在
31巻5号(1980年10月発行)
特集 カルシウムイオン受容タンパク
31巻4号(1980年8月発行)
特集 化学浸透共役仮説
31巻3号(1980年6月発行)
特集 赤血球膜の分子構築
31巻2号(1980年4月発行)
特集 免疫系の情報識別
31巻1号(1980年2月発行)
特集 ゴルジ装置
30巻6号(1979年12月発行)
特集 細胞間コミニケーション
30巻5号(1979年10月発行)
特集 In vitro運動系
30巻4号(1979年8月発行)
輸送系の調節
30巻3号(1979年6月発行)
特集 網膜の構造と機能
30巻2号(1979年4月発行)
特集 神経伝達物質の同定
30巻1号(1979年2月発行)
特集 生物物理学の進歩—第6回国際生物物理学会議より
29巻6号(1978年12月発行)
特集 最近の神経科学から
29巻5号(1978年10月発行)
特集 下垂体:前葉
29巻4号(1978年8月発行)
特集 中枢のペプチド
29巻3号(1978年6月発行)
特集 心臓のリズム発生
29巻2号(1978年4月発行)
特集 腎機能
29巻1号(1978年2月発行)
特集 膜脂質の再検討
28巻6号(1977年12月発行)
特集 青斑核
28巻5号(1977年10月発行)
特集 小胞体
28巻4号(1977年8月発行)
特集 微小管の構造と機能
28巻3号(1977年6月発行)
特集 神経回路網と脳機能
28巻2号(1977年4月発行)
特集 生体の修復
28巻1号(1977年2月発行)
特集 生体の科学の現状と動向
27巻6号(1976年12月発行)
特集 松果体
27巻5号(1976年10月発行)
特集 遺伝マウス・ラット
27巻4号(1976年8月発行)
特集 形質発現における制御
27巻3号(1976年6月発行)
特集 生体と化学的環境
27巻2号(1976年4月発行)
特集 分泌腺
27巻1号(1976年2月発行)
特集 光受容
26巻6号(1975年12月発行)
特集 自律神経と平滑筋の再検討
26巻5号(1975年10月発行)
特集 脳のプログラミング
26巻4号(1975年8月発行)
特集 受精機構をめぐつて
26巻3号(1975年6月発行)
特集 細胞表面と免疫
26巻2号(1975年4月発行)
特集 感覚有毛細胞
26巻1号(1975年2月発行)
特集 体内のセンサー
25巻5号(1974年12月発行)
特集 生体膜—その基本的課題
25巻4号(1974年8月発行)
特集 伝達物質と受容物質
25巻3号(1974年6月発行)
特集 脳の高次機能へのアプローチ
25巻2号(1974年4月発行)
特集 筋細胞の分化
25巻1号(1974年2月発行)
特集 生体の科学 展望と夢
24巻6号(1973年12月発行)
24巻5号(1973年10月発行)
24巻4号(1973年8月発行)
24巻3号(1973年6月発行)
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23巻6号(1972年12月発行)
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22巻6号(1971年12月発行)
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21巻7号(1970年12月発行)
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特集 代謝と機能
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20巻6号(1969年12月発行)
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19巻6号(1968年12月発行)
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18巻6号(1967年12月発行)
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17巻6号(1966年12月発行)
17巻5号(1966年10月発行)
17巻4号(1966年8月発行)
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16巻6号(1965年12月発行)
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16巻4号(1965年8月発行)
16巻3号(1965年6月発行)
16巻2号(1965年4月発行)
16巻1号(1965年2月発行)
15巻6号(1964年12月発行)
特集 生体膜その3
15巻5号(1964年10月発行)
特集 生体膜その2
15巻4号(1964年8月発行)
特集 生体膜その1
15巻3号(1964年6月発行)
特集 第13回日本生理科学連合シンポジウム
15巻2号(1964年4月発行)
15巻1号(1964年2月発行)
14巻6号(1963年12月発行)
特集 興奮收縮伝関
14巻5号(1963年10月発行)
14巻4号(1963年8月発行)
14巻3号(1963年6月発行)
14巻1号(1963年2月発行)
特集 第9回中枢神経系の生理学シンポジウム
14巻2号(1963年2月発行)
13巻6号(1962年12月発行)
13巻5号(1962年10月発行)
特集 生物々理—生理学生物々理若手グループ第1回ミーティングから
13巻4号(1962年8月発行)
13巻3号(1962年6月発行)
13巻2号(1962年4月発行)
Symposium on Permeability of Biological Membranes
13巻1号(1962年2月発行)
12巻6号(1961年12月発行)
12巻5号(1961年10月発行)
12巻4号(1961年8月発行)
12巻3号(1961年6月発行)
12巻2号(1961年4月発行)
12巻1号(1961年2月発行)
11巻6号(1960年12月発行)
Symposium On Active Transport
11巻5号(1960年10月発行)
11巻4号(1960年8月発行)
11巻3号(1960年6月発行)
11巻2号(1960年4月発行)
11巻1号(1960年2月発行)
10巻6号(1959年12月発行)
10巻5号(1959年10月発行)
10巻4号(1959年8月発行)
10巻3号(1959年6月発行)
10巻2号(1959年4月発行)
10巻1号(1959年2月発行)
8巻6号(1957年12月発行)
8巻5号(1957年10月発行)
特集 酵素と生物
8巻4号(1957年8月発行)
8巻3号(1957年6月発行)
8巻2号(1957年4月発行)
8巻1号(1957年2月発行)