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文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻5号

1995年10月発行

文献概要

特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー 1.クロマチン

ヒストンファミリー

著者: 高見恭成1 中山建男1

所属機関: 1宮崎医科大学生化学第二講座

ページ範囲:P.390 - P.392

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 [構成員]H1ヒストン,H2Aヒストン,H2Bヒストン,H3ヒストン,H4ヒストン,H5ヒストン
 概説
 ヒストンは,比較的小さな塩基性の核蛋白質で5種類のサブファミリー(H1,H2A,H2B,H3,H4)からなる。真核生物の染色体DNAはヒストンと会合し,ヌクレオソームと呼ばれる基本構造を形成する。このヌクレオソームはコアヒストンH2A,H2B,H3,H4の各2分子が集合した8量体コアにDNAが約2回転巻き付いたもので,さらにヌクレオソームコア間のリンカーDNAにヒストンH1が結合し,より高次のクロマチン構造が形成される。こうしたDNAパッケージング機構は,真核生物を通じて共通であり,ヒストンのアミノ酸配列は進化的によく保存されている。高等真核生物の各サブタイプの遺伝子は数十~数百コピー存在し,多重遺伝子群を形成している。現在まで多くの生物種のヒストン遺伝子の構造解析が行われ,各サブファミリーの系統樹も報告されている1)。ヒストン遺伝子群はゲノム.上の一ヵ所もしくは数カ所に集中して存在し,その編成様式は繰り返し型と分散型に大別される。前者はウニ,ショウジョウバエなどにみられるタイプで,H1からH4遺伝子が一定の間隔で繰り返し並んでいる。後者は高等生物に認められるタイプで,近接する遺伝子の数や種類が一定せず散在している。しかし,コピー数の多さからその全体像を把握するのは困難である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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