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特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー 4.細胞増殖・細胞周期 成長因子
EGFファミリー
著者: 安井弥1 田原榮一1
所属機関: 1広島大学医学部第一病理学教室
ページ範囲:P.424 - P.425
文献購入ページに移動概説
EGFは,1962年にS. Cohenらによって発見され,化学構造が明らかにされた最初の増殖因子である。彼らは,神経成長因子を研究する過程で,新生マウスの眼瞼開裂および切歯萠出を促進する生理活性をマウス顎下腺抽出液中に見いだし,EGFを単離精製した1)。その後,1980年代の遺伝子クローニング技術の進歩によって多くの関連増殖因子を同定することとなった。EGFファミリーとして現在までに,TGFα,AR,cripto,HB-EGFなど10種類近くが発見されている。これらに共通する特徴は,EGFとの相同性の中でも3ヵ所のジスルファイド結合をよく保存していることであり,よく似た立体構造を有する(図1)。
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