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文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻5号

1995年10月発行

文献概要

特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー 7.酵素・酵素阻害剤 酵素

シトクロムP450スーパーファミリー

著者: 今岡進1 舩江良彦1

所属機関: 1大阪市立大学医学部化学研究室

ページ範囲:P.486 - P.489

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 [構成員]P450のすべての分子種を限られた紙面で示すのは困難であるので,最も代表的なものを表1に示した。詳しくはNelsonら1)の文献などを参照してほしい。
 概説
 シトクロムP450(以下P450)はヘムを有する蛋白質で,ヘム鉄を還元して一酸化炭素(CO)と結合させると,Soret帯における極大吸収を450nm付近に示す蛋白の総称である。このP450の主な働きは分子状酸素を用いる一原子酸素添加反応(monooxygenase反応)であるが,分布が極めて広く,非常に多くの分子種が存在し,いわゆるスーパーファミリー(超遺伝子群)を形成している。さらに機能も多岐にわたり,薬物などの外来異物の代謝から生体内の基質であるステロイドホルモンの生合成,脂肪酸およびプロスタグランジン類の代謝など多くの生理機能を有している。P450は一般には細胞の中の小胞体膜やミトコンドリア膜に膜蛋白として存在しているが,原核生物の場合は可溶性P450として存在している。またP450が働く場合は電子伝達系が必要で,NADPHあるいはNADHを電子供与体とし,例えば小胞体型(一般的にはミクロゾーム型)ではNADPH-P450還元酵素から電子を受け取り,ミトコンドリア型(副腎)の場合NADPH-アドレノドキシン還元酵素さらにアドレノドキシンへと電子が伝達され,最終的にP450が電子を受け取り酸化反応に利用する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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