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文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻5号

1995年10月発行

文献概要

特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー 8.信号伝達系 細胞間 ホルモン

成長ホルモン/プロラクチン遺伝子スーパーファミリー

著者: 小野雅夫1

所属機関: 1北里大学医学部分子生物学教室

ページ範囲:P.514 - P.516

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 [構成員]GH,PRL,PL,CS,PLP,PLF,SL
 概説
 成長ホルモン(GH)とプロラクチン(PRL)は,脊椎動物の脳下垂体で産生される180-200アミノ酸残基の蛋白ホルモンで,アミノ酸配列のみならず遺伝子構成が互いに類似していることから,GH/PRLファミリー1,2)と呼ばれている。哺乳動物の胎盤では,このファミリーに属する多種類の蛋白が見出されている。これらには胎盤性ラクトゲン(placental lactogen,PL),絨毛性ソマトマモトロピン(chorionic somatomammotropin,CS),プロラクチン様蛋白(prolactin-likeprotein,PLP),プロリフェリン(proliferin,PLF)という名前が付けられているが,GH/PRLのようにすべての哺乳動物に存在するのではなく,大部分は特定の動物種にのみ見出される不可思議な進化を遂げた蛋白である。ソマトラクチン(somatolactin,SL)3)は,硬骨魚類の脳下垂体の中葉に見出されたGH/PRLファミリーに属する,新しい脳下垂体ホルモンの可能性が高い蛋白で,調べられた範囲内では全ての魚類の脳下垂体に見出されているが,魚類以外の脊椎動物では確認されていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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