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文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻5号

1995年10月発行

文献概要

特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー 8.信号伝達系 細胞内 接着分子

インテグリンスーパーファミリー

著者: 高木淳一1

所属機関: 1東京工業大学生命理工学部生体情報科学講座

ページ範囲:P.530 - P.532

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 [構成員]VLA-1~6,LFA-1,Mac-1,GPIIb-IIIaなど
 概説
 インテグリンはほとんどすべての動物細胞に存在する膜蛋白質で,細胞の主要な接着レセプターである。“integrin”という名前はintegral membrane proteinであることと,細胞外マトリックスと細胞骨格の両者のintegrityを司るという役割から付けられたが,もともとはニワトリの細胞の分子量140kDaのフィプロネクチンやラミニンに対するレセプターに対して付けられた名前であった1)。やがてこのレセプターと同様な構造をもつ接着レセプターが,種々の動物細胞で多数発見されるに至って,Hynesの提唱によってこれらを総称してインテグリンと呼ぶことになった2)。インテグリンはαとβの二つのサブユニットからなるヘテロダイマーで,2価金属イオン依存性に細胞外のリガンドと結合し,またその細胞内ドメインでテーリンやビンキュリンを介してアクチン線維と結合していると考えられている3)。今までに15種類のαサブユニットと8種類のβサブユニットが報告されているが,これらはまだ増えるかもしれない。次から次に新しいサブユニットが発見されたので,各インテグリンの命名法や分類法などが混乱していたが,複数のαサブユニットが同じβサブユニットを共有していたり,その逆もあったりするので,今では単にαxβyのように呼ぶのが一番誤解が少ないであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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