icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻5号

1995年10月発行

文献概要

特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー 8.信号伝達系 細胞内 受容体

FGF受容体ファミリー

著者: 遠山正彌1

所属機関: 1大阪大学医学部解剖学第二講座

ページ範囲:P.550 - P.552

文献購入ページに移動
 [構成員]FGF受容体(FGFR)1(flg型),FGFR2(bek型),FGFR3,FGFR4。その他,mRNAのスプライシングによるいくつかのvariantsの存在が報告されている(例,最外側のIg様ドメインの欠落,膜貫通構造を有しないもの,膜貫通部周辺のアミノ酸の置換など)1)
 概説
 FGFRはFGFの生理機能発現の最初の受け皿として,細胞膜表面に存在する高親和性受容体として知られていたが,その一次構造の解明は,1989年WilliamsらによるトリFGFRのクローニングがその端緒となった。後にflg型と呼ばれるWilliamsらによるトリFGFRおよび,1990年ReidらによりクローニングされたマウスFGFRは,細胞膜を1回貫通する蛋白で細胞外にはIgG様ドメインを3個,細胞内にはチロシンキナーゼ(TK)ドメインを有し,EGFやPDNF受容体と基本的には同様の構造を有する(図1)。トリおよびマウスFGFRの遺伝子配列はヒト遺伝子flg型とほぼ同様の構造を有すること,また1990年マウスFGFRがクローニングされた時も,同じくしてDionneらにより既に報告されたFGFRと相同性の高い新たなFGFRが見いだされた(表1)。ここに到り前者をFGFR1(flg型),後者をFGFR2(bek型)と総称するようになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?