文献詳細
文献概要
特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー 8.信号伝達系 細胞内 プロテインキナーゼ
srcファミリーチロシンキナーゼ
著者: 中村和史1 木村比登史1 淀井淳司1
所属機関: 1京都大学ウイルス研究所生体応答学研究部門
ページ範囲:P.589 - P.591
文献購入ページに移動概説
チロシンキナーゼは受容体型のチロシンキナーゼと,非受容体型のチロシンキナーゼの大きく二つのカテゴリーに分類される。非受容体型のチロシンキナーゼとは,EGF(Epidermal Growth Factor)レセプターやPDGF(Platelet-Derived Growth Factor)レセプターなどの受容体型チロシンキナーゼと異なり,細胞膜貫通部および細胞外領域をもたない構造のチロシンキナーゼの総称である。srcファミリーチロシンキナーゼはこの非受容体型チロシンキナーゼに属し,500から530アミノ酸残基からなる類似の構造をもったチロシンキナーゼで,N末端のグリシン残基に付加されたミリスチン酸を介して細胞膜に結合している。srcファミリーチロシンキナーゼのメンバーとして,Src,Yes,Fyn,Lck,Fgr,Hck,Lyn,Blk,Yrkの九つのキナーゼが知られている。
掲載誌情報