文献詳細
特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
8.信号伝達系 細胞内 プロテインキナーゼ
文献概要
[構成員]cPKC,nPKC,aPKCなど
概説
プロテインキナーゼC(以下,PKC)は,Ca2+,リン脂質依存性セリン/スレオニンキナーゼとしてまず生化学的に同定された(1979)。そして,刺激にともなうリン脂質代謝昂進の結果生じるセカンドメッセンジャー,ジアシルグリセロール(DG)や,TPAなどのホルボルエステル(PE)型の発癌プロモーターがその活性を上昇させることが明らかとされ,細胞内情報伝達系に深く関わるキナーゼとして多くの研究者の関心を集めてきた。TPAによって活性化されるという性質は,多くの細胞系においてPKCを選択的に活性化する手段として大いに利用され,増殖制御から免疫応答,神経機能に至るさまざまな情報伝達機構にPKCが関与しているというデータが蓄積されてきた。しかし,当初単一の分子と考えられていたこのキナーゼには,多数の分子種が存在することがいまや明らかとなっており,その研究状況はむしろ複雑さを増すに至っている。
概説
プロテインキナーゼC(以下,PKC)は,Ca2+,リン脂質依存性セリン/スレオニンキナーゼとしてまず生化学的に同定された(1979)。そして,刺激にともなうリン脂質代謝昂進の結果生じるセカンドメッセンジャー,ジアシルグリセロール(DG)や,TPAなどのホルボルエステル(PE)型の発癌プロモーターがその活性を上昇させることが明らかとされ,細胞内情報伝達系に深く関わるキナーゼとして多くの研究者の関心を集めてきた。TPAによって活性化されるという性質は,多くの細胞系においてPKCを選択的に活性化する手段として大いに利用され,増殖制御から免疫応答,神経機能に至るさまざまな情報伝達機構にPKCが関与しているというデータが蓄積されてきた。しかし,当初単一の分子と考えられていたこのキナーゼには,多数の分子種が存在することがいまや明らかとなっており,その研究状況はむしろ複雑さを増すに至っている。
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