icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻5号

1995年10月発行

文献概要

特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー 8.信号伝達系 細胞内 プロテインキナーゼ

プロテインキナーゼCファミリー

著者: 鈴木厚1 大野茂男1

所属機関: 1横浜市立大学医学部第二生化学講座

ページ範囲:P.592 - P.593

文献購入ページに移動
 [構成員]cPKC,nPKC,aPKCなど
 概説
 プロテインキナーゼC(以下,PKC)は,Ca2+,リン脂質依存性セリン/スレオニンキナーゼとしてまず生化学的に同定された(1979)。そして,刺激にともなうリン脂質代謝昂進の結果生じるセカンドメッセンジャー,ジアシルグリセロール(DG)や,TPAなどのホルボルエステル(PE)型の発癌プロモーターがその活性を上昇させることが明らかとされ,細胞内情報伝達系に深く関わるキナーゼとして多くの研究者の関心を集めてきた。TPAによって活性化されるという性質は,多くの細胞系においてPKCを選択的に活性化する手段として大いに利用され,増殖制御から免疫応答,神経機能に至るさまざまな情報伝達機構にPKCが関与しているというデータが蓄積されてきた。しかし,当初単一の分子と考えられていたこのキナーゼには,多数の分子種が存在することがいまや明らかとなっており,その研究状況はむしろ複雑さを増すに至っている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?