文献詳細
文献概要
特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー 14.組織特異タンパク
オボアルブミンスーパーファミリー
著者: 篠原兵庫1
所属機関: 1近畿大学医学部第二生化学講座
ページ範囲:P.655 - P.656
文献購入ページに移動概説
ZuckerkandlとPaulingにより分子進化の概念が提出されると間もなく,Dayhoffらは世界中から蛋白質の一次構造のデータを集めて整理し,その進化を研究した。その過程でいくつかの蛋白質間の予想外の類縁関係が明らかになった。しかしそれらは予想できなかったとはいえ,得られた結論は納得のいくものであった。例えば,トリプシンとエラスターゼが共通の祖先遺伝子から進化してきたことはすぐに理解できた。そのうち結果を見てもすぐには納得できないような類縁関係がぼつぼつ見つかるようになった。その一つの例がオボアルブミンスーパーファミリーである。Dayhoffらはアンチトリプシン,アンチトロンビン,オボアルブミンの三者間にほぼ同程度の相同性を発見し,速報として発表した1)。
掲載誌情報