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文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻6号

1995年12月発行

文献概要

特集 病態を変えたよく効く医薬

消化性潰瘍治療薬:H2レセプター拮抗剤―開発の歴史

著者: 宮田桂司1

所属機関: 1山之内製薬㈱第一創薬研究所

ページ範囲:P.665 - P.670

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 ヒスタミンは生体内に広く分布し,消化管の分泌と運動,炎症反応,免疫反応,中枢神経機能などに関与している。ヒスタミンH2レセプター拮抗薬が誕生し,ヒスタミンの胃酸分泌における役割や,胃酸分泌と潰瘍治癒との関連性の解明に多大な貢献をしただけでなく,臨床の場に供されることにより,消化性潰瘍の治療を外科療法主体から薬物療法主体へと大きく転換させた。
 最初のH2レセプター拮抗薬であるシメチジンが英国で発売されて約20年が経過し,消化性潰瘍治療薬として第一選択薬の地位を築いたが,H2レセプター拮抗薬よりも胃酸分泌抑制作用の強いプロトンポンプ阻害薬が出現したり,消化性潰瘍の再発とHelicobacter pyloriとの関係がクローズアップされるなど,H2レセプター拮抗薬を取りまく環境も大きく変わってきている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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