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文献詳細

雑誌文献

生体の科学46巻6号

1995年12月発行

文献概要

特集 病態を変えたよく効く医薬

消化性潰瘍治療薬:H2レセプター拮抗剤―作用機序

著者: 斉藤栄一1

所属機関: 1東京大学医学部第三内科

ページ範囲:P.671 - P.677

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 シメチジンを初めとするH2受容体拮抗剤の登場により,消化性潰瘍の治療は飛躍的に向上した。従来の制酸剤などの薬剤では,一時的な軽快しか得られなかった心窩部痛などの症状も,内服後数日で速やかに消失し,潰瘍の治癒率もシメチジンで内服4週後,十二指腸潰瘍で77%1)と,極めてよい成績となった。また,シメチジン400mg夜1回内服の維持療法により,1年後の再発予防率が78.2%であったように2),消化性潰瘍の治療手段としての外科手術の適用が,これらの薬剤の登場により極めて限られた症例のみになったことは,画期的なことである。
 抗生物質の発見により細菌に対する薬理作用が逆に解明されていったように,H2受容体拮抗剤の開発によりこれらの薬剤の作用機序が研究され,近年,細胞レベルでの酸分泌機構の解明が急速に進展した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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