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連載講座 新しい観点からみた器官
胸腺―免疫系と神経・内分泌系の接点にあるリンパ組織
著者: 広川勝昱1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部感染免疫病理学教室
ページ範囲:P.738 - P.745
文献購入ページに移動しかしその胸腺の本来の機能である免疫機能が明らかになったのは,1960年代に入って,オーストラリアのMiller1)が行った新生仔マウスの胸腺摘出実験によることは余りにも有名である。実際にこの実験を契機にして,免疫学の流れが大きく変わったといっても過言ではない。それまでの免疫学は抗血清,抗体の体液性免疫学であったが,胸腺の免疫学的機能の発見により,T細胞による細胞性免疫の概念が発達してきたのである。それは体液性免疫の担当細胞であるB細胞の概念の確立,T細胞とB細胞の細胞間相互作用,T細胞による免疫機能調節,更に分子遺伝学的手法を駆使した近代免疫学につながってきたといえる。
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