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特集 神経科学の最前線
大脳皮質と時間コード
著者: 力丸裕12
所属機関: 1同志社大学工学部知識工学科 2新技術事業団さきがけ研究21
ページ範囲:P.54 - P.60
文献購入ページに移動 IBRO京都大会では,「大脳皮質は時間コーディングを用いるか(Does the cortex use temporalcoding?)」という討論会が設けられた。この討論会では,Fetz(Univ. of Washington,米国),Singer(Max Planck Inst.,ドイツ)の代理人,Abeles(Hebrew Univ.,イスラエル),Aertsen(Weizmann Inst.,イスラエル),Merzenich(Univ. California San Francisco,米国),Shadlen(Stanford Univ.,米国)の他数名の研究者が話題提供者となり,オシレーション(oscillation),同期(synchrony),同期発火(synfire),相互相関(cross-correlation),時空間概念(spatio-temporal concept),一致入力(coincidence inputs)といった用語が飛び交った。しかし,各々の講演者が自分の主張を一方的に発言しただけで,残念ながら深い討論には至らなかった。このセッションでのtemporal codingというのは,「時間的なコーディング」とでもいうのであろう。「時間情報のコーディング」という共通概念は参加者には根づいていないような印象をもった。
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