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特集 カルシウム動態と細胞機能
シナプスのカルシウム動態
著者: 久場健司1 光本拓也2 白崎哲哉2
所属機関: 1名古屋大学医学部第1生理学教室 2佐賀医科大学第2生理学教室
ページ範囲:P.105 - P.114
文献購入ページに移動[Ca2+]iはシナプス伝達に直接あるいは間接的に不可欠な役割を担っている。シナプス前終末では,Ca2+は電気信号としてのインパルスから化学信号としての伝達物質の開口分泌への不可欠の仲介因子であり,その効率の短期および長期の可塑的な制御因子である。シナプス後ニューロンでは,伝達物質の作用によりシナプス後電位だけでなく,一次的あるいは二次的に[Ca2+]iが上昇する。[Ca2+]iの上昇はシナプス伝達の効率を短期あるいは長期に変化させたり,Ca2+依存性のイオンチャネルの制御を介してインパルス発生のための統合機序や,ニューロン全体の機能と構造の維持のためのエネルギー代謝や遺伝子発現制御に関与する。
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