文献詳細
特集 カルシウム動態と細胞機能
文献概要
心筋の収縮・弛緩はカルシウムイオン(Ca2+)を情報伝達因子として,細胞膜の電位の変化を筋原線維による張力発生に置き換えることで行われる。この機構により心臓全体の心筋細胞がタイミングを合わせて収縮し,心臓が一つの臓器としてポンプ機能を果たしているわけである。このため細胞内Ca2+濃度([Ca2+]i)は極めて巧妙な機構によって調節を受けており,この細胞内Ca2+の不安定さは逆に収縮調律にも大きく影響する可能性がある1)。このため,このカルシウムシグナリング系を分子レベルで解明することは,心筋機能調節を知る上で不可欠なことである。
[Ca2+]iの変化を捉える研究は,fura-2やindo-1といった蛍光指示薬2)の出現と,濃度情報と空間情報を同時に捉えるビデオ画像処理により著しく進歩した。これにより単一心筋内の不均一なカルシウム動態も明らかになってきた3,4)。そして共焦点レーザ走査顕微鏡(confocal laser scanning microscope:CLSM)の出現により,より空間的・時間的に定量性の高い解析が可能になった5,6)。CLSMで得られた画像は一定の厚さの光学的断層面に由来するので,細胞の部位による厚みの差に影響されない。このため,たとえfluo-3やCalcium Greenなどの1波長励起1波長測光の蛍光指示薬を用いたとしても,[Ca2+]iの変化を直接正確に解析することができるようになった。
[Ca2+]iの変化を捉える研究は,fura-2やindo-1といった蛍光指示薬2)の出現と,濃度情報と空間情報を同時に捉えるビデオ画像処理により著しく進歩した。これにより単一心筋内の不均一なカルシウム動態も明らかになってきた3,4)。そして共焦点レーザ走査顕微鏡(confocal laser scanning microscope:CLSM)の出現により,より空間的・時間的に定量性の高い解析が可能になった5,6)。CLSMで得られた画像は一定の厚さの光学的断層面に由来するので,細胞の部位による厚みの差に影響されない。このため,たとえfluo-3やCalcium Greenなどの1波長励起1波長測光の蛍光指示薬を用いたとしても,[Ca2+]iの変化を直接正確に解析することができるようになった。
掲載誌情報