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文献詳細

雑誌文献

生体の科学47巻4号

1996年08月発行

文献概要

特集 エンドサイトーシス

網膜色素上皮細胞の貪食過程

著者: 出口順子1 宇山昌延1 田代裕2 山本章嗣2

所属機関: 1関西医科大学眼科学教室 2関西医科大学第一生理学教室

ページ範囲:P.262 - P.267

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 網膜色素上皮細胞(RPE)は網膜の最外層に位置し,視細胞と脈絡膜毛細血管板との間でブルフ膜の上に,1層の細胞層を形成している(図1,2)。RPEは視細胞外節の貪食,脈絡膜循環からのビタミンAの取り込み・貯蔵と視細胞への供給,イオンやその他の物質の視細胞への輸送などを行い,視細胞を含む神経網膜の代謝と維持に重要な役割を果たしている。特に脱落した視細胞外節の貪食はRPEの最も重要な機能の一つで,この機能が障害されるとさまざまな網膜の変性を引き起こす。
 視細胞の光受容体は外節と呼ばれ,桿体外節の場合,約600-1000枚の円板からなる。円板にはロドプシンが存在し,光を感受して光化学反応を起こし,その結果,トランスデューシンを介するcGMPホスホジエステラーゼの活性化,cGMPの減少,Naチャネルの閉鎖などの一連の反応が引き起こされ,視細胞電位が発生する。その電位変化が順次上位ニューロンに伝達され,視覚が成立する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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