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文献詳細

雑誌文献

生体の科学47巻4号

1996年08月発行

文献概要

特集 エンドサイトーシス

エンドソームの動的構造変化と分子選別

著者: 堺立也1 宮本宏1

所属機関: 1生命工学工業技術研究所細胞情報研究室

ページ範囲:P.276 - P.281

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 真核細胞はさまざまな外界の物質を,受容体を介したエンドサイトーシスにより細胞内に取り込んでいる。図1に示したように哺乳類の細胞では,細胞外の栄養物や有害物,ペプチドホルモンなどがエンドサイトーシスにより取り込まれる。取り込まれた物質はその用途に応じ仕分けされ,有害物質やペプチドホルモンなどはリソゾームに運ばれ分解されるし,低密度リポタンパクの受容体,トランスフェリンとその受容体などは細胞表面に戻ってくる1,2)。表面まで戻った分子は再利用されるので,この過程をリサイクリングと呼んでいる。これらの分子選別や目的地までの輸送の中心的役割を果たすのがエンドソームである。エンドソームには二種類あり,選別エンドソーム(sortingendosomeあるいはearly endosome)と後期エンドソーム(late endosome)と呼ばれる3-5)。取り込まれた分子は,第一段階は選別エンドソームの中に存在する。ここで分子の選別が行われ,リサイクリングするものとリソゾームへ行くものが分けられる。リソゾームへ行く分子はその後,後期エンドソーム内に移り,最終的にリソゾームに移行する。
 エンドソームによる分子選別や輸送は,この膜器官の分裂や融合あるいは運動といった膜のダイナミックな過程に裏付けられているはずである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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