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文献詳細

雑誌文献

生体の科学47巻4号

1996年08月発行

文献概要

特集 エンドサイトーシス

コーテッドベジクルの生成と構成タンパク質

著者: 與良隆雄1

所属機関: 1埼玉医科大学短期大学生化学教室

ページ範囲:P.292 - P.298

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 細胞内小胞輸送系としてのコーテッドベジクルには,クラスリン被覆小胞(CV),非クラスリン被覆小胞またはコートマー被覆小胞(COP被覆小胞)およびカベオラ(カベオリン被覆小胞,caveolae)の存在が知られている。CV1)はレセプター介在エンドサイトーシス,ゴルジ装置からリソソームや分泌顆粒への新生タンパク質輸送,神経細胞における細胞膜のリサイクリングに関与している。COP被覆小胞2)はタンパク質のゴルジ層板間,あるいはゴルジ装置から小胞体への逆輸送に関与していることが示唆されている。カベオラ3)はカベオリンという特異的なタンパク質(分子量約22kDa)で生体膜がコートされていて,電顕的に特徴的な形態を呈し,低分子物質や電解質の細胞内への取り込みに関与していると考えられている。
 本稿では,これら小胞輸送系のうちCVについて焦点を当て,その精製法,特徴および構成タンパク質の性質について概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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