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文献詳細

雑誌文献

生体の科学47巻5号

1996年10月発行

文献概要

特集 器官―その新しい視点 1.消化器

肝臓:毛細胆管

著者: 織田正也1 横森弘昭2 亀谷宜隆1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科 2北里研究所メディカルセンター病院内科

ページ範囲:P.368 - P.372

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ポイント 毛細胆管の収縮運動
 胆汁の生成と排泄は,肝臓が果たす諸機能のなかでも生命の維持に不可欠な機能の一つである。この胆汁の分泌ないしは排泄経路の起始部に当たるのが毛細胆管である。毛細胆管の超微形態学的特徴として,肝細胞と肝細胞の間に小管腔として形成され,管腔壁が直接肝細胞形質膜から成り立つことがあげられる。この部分の形質膜は毛細胆管膜と呼ばれ,類洞側肝細胞形質膜とは生化学的性質を異にし,その細胞質側が豊富な網目構造をなすアクチンフィラメントで裏打ちされていることが明らかにされた1)。これを契機に毛細胆管は静上の状態にあるのではなく,律動的な自動収縮運動を繰返し行っていることがin vitro2)およびin vivo3)で証明された。この毛細胆管の収縮機能4)は胆汁排泄機構における調節因子の一つとして重視され5),一方ではその異常が肝内胆汁うっ滞の要因をなすことが指摘されている6,7)
 本稿では,毛細胆管の収縮機構に関する最近の研究の進歩について述べ,毛細胆管膜に局在するCa2+-Mg2+-ATPaseの機能的意義に言及する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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