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文献詳細

雑誌文献

生体の科学47巻5号

1996年10月発行

特集 器官―その新しい視点

3.循環器

心臓

著者: 小室一成1

所属機関: 1東京大学医学部第三内科

ページ範囲:P.388 - P.391

文献概要

ポイント 心臓の発生・分化の特異性
 心臓は個体発生段階の非常に早期に,臓器としては最も早く,しかも最も頭側において決定される。心臓は決定されるとすぐに分化し,自律拍動を開始するが,血液が循環するようになって初めて他の臓器の分化,成長が進む。心筋細胞は分化後も分裂能を維持し,胎生期は活発に分裂増殖を続けるが,出生と同時にその分裂能を喪失し,以後の心臓の成長は,個々の心筋細胞の大きさが増すこと(肥大)による。このように心臓は機能ばかりでなく発生上もユニークであり,心臓の分化・発生の機序の解明は心臓病学にとどまらず広く生物学全体にとっても極めて重要な課題である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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