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特集 器官―その新しい視点 8.感覚器
視覚器
著者: 金子章道1
所属機関: 1慶應義塾大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.474 - P.477
文献購入ページに移動 ポイント 双極細胞のON型,OFF型とグルタミン酸応答
網膜細胞は神経節細胞を除いて活動電位を発生せず,緩電位によって信号伝達,信号処理が行われているユニークな神経組織である。網膜細胞の光応答は伝達物質と伝達物質受容体の性質で決定される。視細胞は光刺激に対して細胞内がマイナスになる過分極性の応答を示すが,2次ニューロンである双極細胞以降では,光刺激に対して脱分極するON型応答と過分極するOFF型応答とに二分される。近年,各種ニューロンで伝達物質が同定され,また,分子生物学的手法により伝達物質受容体分子がクローニングされるようになった。こうした研究結果は伝達物質が同じでも,受容体が異なることによってシナプス後細胞に発生する応答は全く違ったものになり得ることを明確に示している。双極細胞のON型応答とOFF型応答もグルタミン酸受容体の違いによって形成されることが明らかになった。
ここでは,こうした問題を中心に網膜神経回路に関する最近の知見を解説する。
網膜細胞は神経節細胞を除いて活動電位を発生せず,緩電位によって信号伝達,信号処理が行われているユニークな神経組織である。網膜細胞の光応答は伝達物質と伝達物質受容体の性質で決定される。視細胞は光刺激に対して細胞内がマイナスになる過分極性の応答を示すが,2次ニューロンである双極細胞以降では,光刺激に対して脱分極するON型応答と過分極するOFF型応答とに二分される。近年,各種ニューロンで伝達物質が同定され,また,分子生物学的手法により伝達物質受容体分子がクローニングされるようになった。こうした研究結果は伝達物質が同じでも,受容体が異なることによってシナプス後細胞に発生する応答は全く違ったものになり得ることを明確に示している。双極細胞のON型応答とOFF型応答もグルタミン酸受容体の違いによって形成されることが明らかになった。
ここでは,こうした問題を中心に網膜神経回路に関する最近の知見を解説する。
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