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特集 老化
細胞老化に及ぼす細胞成長因子の作用
著者: 太田敏郎1 加治和彦1
所属機関: 1静岡県立大学大学院生活健康科学研究科老化制御研究室
ページ範囲:P.553 - P.557
文献購入ページに移動 先進国では平均寿命が年々延び,全人口にしめる老人の割合は急激に増加する傾向にある。ここから,老化の過程と,疾病や傷害にかかりやすくなるという老齢の影響を,よりよく理解する必要が急速に高まっている。
Hayflickは,1960年代初頭に「正常ヒト線維芽細胞は無限に増殖できず,有限回の分裂回数ののち分裂能力を失う,これは元来体細胞がもっている性質なのだ」という仮説を提唱した(Hayflickの限界仮説)1,2)。この仮説から,in vitroでの継代培養でみられる分裂停止は,個体の老化を細胞レベルで再現しているもので,細胞は個体を離れてin vitroの培養系でも分裂回数に応じた生理学的変化(in vitroにおける細胞老化)を起こしている,というモデルが出されてきた。
Hayflickは,1960年代初頭に「正常ヒト線維芽細胞は無限に増殖できず,有限回の分裂回数ののち分裂能力を失う,これは元来体細胞がもっている性質なのだ」という仮説を提唱した(Hayflickの限界仮説)1,2)。この仮説から,in vitroでの継代培養でみられる分裂停止は,個体の老化を細胞レベルで再現しているもので,細胞は個体を離れてin vitroの培養系でも分裂回数に応じた生理学的変化(in vitroにおける細胞老化)を起こしている,というモデルが出されてきた。
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