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特集 老化
老年性アミロイドーシス―マウスを用いた遺伝的解析
著者: 内木宏延1 中久木和也1
所属機関: 1福井医科大学病理学第二講座
ページ範囲:P.570 - P.574
文献購入ページに移動 アミロイドーシス(amyloidosis)とは,個々の疾患に特異的な前駆蛋白質の全部,あるいは一部が重合してアミロイド線維(amyloid fibril;Af)を形成し,さまざまな組織,あるいは臓器の細胞外間質に沈着,臓器障害を引き起こす一群の疾患の総称である。現在ヒトアミロイドーシスは各々のAfを構成する蛋白質の違いにより十数種類に分類されるが,以下に列記する共通の形態学的特徴を備えている。すなわち,(1) HE染色によりエオジンに淡染する細胞外ヒアリン状無構造物質として認められる,(2)コンゴーレッド染色で橙色に染色され,偏光顕微鏡下に橙色・緑色複屈折を呈する,(3)電子顕微鏡的には束ねた2本のピアノ線をよじらせたような螺旋構造を持つ,幅7.5から10nmのAfを認める,(4) Afおよびその前駆蛋白質の構造解析により,逆平行βシート構造を基本構造として有している。
本稿では,アミロイド蛋白の同定から病態の解析,さらに分子遺伝学的解析まで,われわれのグループが中心となって進めてきたマウス老化アミロイドーシス研究の現状を述べ,さらに同研究過程で開発した実験系の,Alzheimer病(AD)βアミロイド線維(βAf)形成機構解明への応用例を紹介する。
本稿では,アミロイド蛋白の同定から病態の解析,さらに分子遺伝学的解析まで,われわれのグループが中心となって進めてきたマウス老化アミロイドーシス研究の現状を述べ,さらに同研究過程で開発した実験系の,Alzheimer病(AD)βアミロイド線維(βAf)形成機構解明への応用例を紹介する。
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