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特集 老化
文献概要
近年,社会の高齢化にともない痴呆性疾患が急増している。このために中枢神経系の老化に関しては大きな関心が払われてきた。ほとんどの痴呆疾患はアルツハイマー型痴呆(アルツハイマー病)もしくは脳血管型痴呆であるが,老化との関連ではアルツハイマー病が関連が深いと考えられてきた。最近は世界的にこの分野での研究の進展が著しく,ある程度まで分子レベルでの理解が可能となりつつあるのが現状である。その中でも,アミロイドβ蛋白(Aβ)とその前駆体蛋白であるアミロイド前駆体蛋白(amyloid protein precursor;APP)は重要な位置を占めている。本稿においては,アミロイドβ蛋白およびアミロイド前駆体蛋白のアルツハイマー病との関連にふれながら,アミロイド前駆体蛋白の代謝に関して概説したい。
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