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文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻2号

1997年04月発行

文献概要

特集 最近のMAPキナーゼ系

シナプスのMAPキナーゼ系

著者: 鈴木龍雄1

所属機関: 1信州大学医学部附属加齢適応研究センター神経加齢部門神経可塑性分野

ページ範囲:P.97 - P.100

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 細胞増殖や分化の誘導や制御において,MAPキナーゼ(MAPK)は大きな役割を果たしていることが知られている。脳のMAPK研究の多くは,主として胎児期の脳からの培養神経細胞やPC12細胞などの株化細胞を用いて盛んに行われ,神経系の発育や増殖にもMAPKが大きな役割を果たしていることが示唆されている。しかし,アダルト脳の分化した神経細胞にもMAPKが広く発現している1)という事実は,脳のMAPKが神経細胞の分化・増殖ばかりでなく,神経伝達の制御にも深く関わっていることを示唆している。最近になって,長期増強(long-term potentiation;LTP)研究の隆盛とともに,シナプス伝達やシナプス可塑性発現に果たすMAPK系の役割も明らかになりつつある。本総説ではシナプスのMAPK系に関する最近までの知見をまとめてみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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