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文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻2号

1997年04月発行

文献概要

特集 最近のMAPキナーゼ系

MUKによるJNK経路の活性化

著者: 平井秀一1 大野茂男1

所属機関: 1横浜市立大学医学部生化学第二教室

ページ範囲:P.130 - P.135

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 Jun N-terminal kinase(JNK)は,ERK,p38/Mpk-2などとともにMAPキナーゼ関連酵素の一つに数えられる酵素で,stress activated protein kinase(SAPK)とも呼ばれる。この酵素は細胞にストレスを与えるような刺激,例えば紫外線照射や浸透圧ショックにより強力に活性化されるほか,IL-1,TNFα,TGFβなどのサイトカインによっても活性化されることから,これらにより惹起される細胞内シグナル伝達に関与するものと考えられる1,2)。JNKにはこれまでに3種類のアイソザイムが見つかっており,それぞれJNK1(SAPKγ),JNK2(SAPKα),JNK3(SAPKβ)と呼ばれている。いずれもc-Jun,ATF2/CREBP-1などの転写因子を直接リン酸化して活性化することが報告されているほか,インスリンによるグリコーゲン合成酵素の活性調節への関与についても報告がある3)。JNKの活性はほかのMAPキナーゼ関連酵素と同様,MAPキナーゼキナーゼ(MAPKK)クラスおよびMAPキナーゼキナーゼキナーゼ(MAPKKK)クラスに属するタンパク質リン酸化酵素を含むキナーゼ経路により活性化される。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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