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特集 最近のMAPキナーゼ系
MUKによるJNK経路の活性化
著者: 平井秀一1 大野茂男1
所属機関: 1横浜市立大学医学部生化学第二教室
ページ範囲:P.130 - P.135
文献購入ページに移動 Jun N-terminal kinase(JNK)は,ERK,p38/Mpk-2などとともにMAPキナーゼ関連酵素の一つに数えられる酵素で,stress activated protein kinase(SAPK)とも呼ばれる。この酵素は細胞にストレスを与えるような刺激,例えば紫外線照射や浸透圧ショックにより強力に活性化されるほか,IL-1,TNFα,TGFβなどのサイトカインによっても活性化されることから,これらにより惹起される細胞内シグナル伝達に関与するものと考えられる1,2)。JNKにはこれまでに3種類のアイソザイムが見つかっており,それぞれJNK1(SAPKγ),JNK2(SAPKα),JNK3(SAPKβ)と呼ばれている。いずれもc-Jun,ATF2/CREBP-1などの転写因子を直接リン酸化して活性化することが報告されているほか,インスリンによるグリコーゲン合成酵素の活性調節への関与についても報告がある3)。JNKの活性はほかのMAPキナーゼ関連酵素と同様,MAPキナーゼキナーゼ(MAPKK)クラスおよびMAPキナーゼキナーゼキナーゼ(MAPKKK)クラスに属するタンパク質リン酸化酵素を含むキナーゼ経路により活性化される。
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