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特集 最近のMAPキナーゼ系
ERK2/p42MAPキナーゼの遺伝子構造
著者: 瀧嶋邦夫1 杉浦直明1
所属機関: 1防衛医科大学校生化学第一講座
ページ範囲:P.140 - P.144
文献購入ページに移動 MAPキナーゼカスケードは細胞外からの増殖刺激や分化誘導刺激などによって活性化される細胞内情報伝達経路であり,粘菌,酵母,ショウジョウバエ,植物から哺乳動物までの広範囲にわたる多くの生物によって利用されている。活性化されたMAPキナーゼは転写因子,細胞骨格やほかのプロテインキナーゼなどをリン酸化することにより細胞の機能調節を行っている。
ラットから最初にクローニングされた哺乳動物のMAPキナーゼとして,ERK1/p44MAPキナーゼとERK2/p42MAPキナーゼがよく知られている。現在MAPキナーゼのファミリーが数多く報告されているが,ERK1とERK2はそれらの中で最もホモロジーが高いアイソフォームであり,アミノ酸レベルでの相同性は85%にも及んでいる。両者は多くの組織で発現していることや基質特異性や活性化のされ方など多くの点で似ており,機能的に等しいと考えられている。しかし,一方でERK1とERK2の組織特異的発現あるいは機能的な違いを示唆する結果も得られている。ERK1とERK2はともに広範な組織で発現しているが,組織や細胞によってその強さはまちまちである。脳におけるERKsの発現の局在がノーザンハイブリダイゼーション法1),in situハイブリダイゼーション法2)や免疫組織化学的な方法3)で調べられているが,ERK1とERK2で分布に差があることが報告されている。
ラットから最初にクローニングされた哺乳動物のMAPキナーゼとして,ERK1/p44MAPキナーゼとERK2/p42MAPキナーゼがよく知られている。現在MAPキナーゼのファミリーが数多く報告されているが,ERK1とERK2はそれらの中で最もホモロジーが高いアイソフォームであり,アミノ酸レベルでの相同性は85%にも及んでいる。両者は多くの組織で発現していることや基質特異性や活性化のされ方など多くの点で似ており,機能的に等しいと考えられている。しかし,一方でERK1とERK2の組織特異的発現あるいは機能的な違いを示唆する結果も得られている。ERK1とERK2はともに広範な組織で発現しているが,組織や細胞によってその強さはまちまちである。脳におけるERKsの発現の局在がノーザンハイブリダイゼーション法1),in situハイブリダイゼーション法2)や免疫組織化学的な方法3)で調べられているが,ERK1とERK2で分布に差があることが報告されている。
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