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文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻3号

1997年06月発行

文献概要

特集 開口分泌のメカニズムにおける新しい展開

分泌蛋白質の選別輸送シグナル―グラニン蛋白群の役割

著者: 渡部剛1

所属機関: 1大阪大学医学部解剖学第一講座

ページ範囲:P.164 - P.169

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 ペプチドホルモンを分泌する内分泌細胞では,一般に,ホルモンはいったん分泌顆粒に蓄えられ,適切な分泌刺激を受けてはじめて細胞外に放出される。ところが,内分泌細胞で生合成された分泌蛋白が,すべてこの分泌顆粒を経由して細胞外に放出されるわけではなく,ホルモンなど一部の分泌蛋白だけが分泌顆粒へと運ばれ,分泌刺激の到来を待つ。このペプチドホルモンが選択的に分泌顆粒へと輸送される機構については,さまざまなアプローチによる研究がなされてきたが,いまだなお,その詳細については解明されていない。
 この稿では,さまざまな内分泌細胞に広く発現していることが知られていながら,いまだその生理的機能が明らかになっていない一群の分泌蛋白,クロモグラニン・セクレトグラニン蛋白群(グラニン蛋白群)に焦点をしぼり,内分泌細胞におけるホルモンの分泌顆粒への選別輸送過程にこの蛋白群が関与する可能性を,これまでの観察所見・実験結果を踏まえながら概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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