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連載講座 個体の生と死・3
受精
著者: 年森清隆1
所属機関: 1宮崎医科大学解剖学第一講座
ページ範囲:P.219 - P.227
文献購入ページに移動 受精は,減数分裂を経て形成された半数体の雌雄の生殖細胞(配偶子)が合体して,両親由来の遺伝情報を次世代に伝えるための連続的な現象である。体外受精では,至適条件にすれば精子頭部(核)が成熟した卵形質内に導入されると胚発生が導かれる。しかし,体内受精では,精子は生殖管通過中あるいは卵子との相互作用中に分化した構造を正しく機能させる必要があり,卵子は精子を受け入れた後に体細胞としての有糸分裂を開始するための構造を正しく機能させる必要がある。これらの受精現象に関連する構造と機能に欠陥があると不妊の原因になる。この小稿では体内受精を概説する。受精現象を理解するには,先ず配偶子の微細構造と関連分子の挙動を理解することが必要であるので簡単に触れる。
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