icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻4号

1997年08月発行

文献概要

特集 マトリックス生物学の最前線

テネイシンファミリー分子の構造と機能

著者: 吉田利通1 坂倉照妤1

所属機関: 1三重大学医学部病理学教室

ページ範囲:P.273 - P.279

文献購入ページに移動
 形態形成および創傷治癒過程,癌の発生・進展などの種々の組織再構築過程では,増殖した細胞群がその集塊の形を変え,すでにある構築を変化させ時には移動して,固有の組織構築を形成する。そのためには,すでにあった組織構築では,細胞―細胞間接着と細胞―基質間接着の解離が必要であり,このうち細胞―基質間の接着は,細胞内からの接着斑などの調節,細胞外マトリックス(ECM)蛋白の蛋白分解酵素による破壊,そしてECMの量,種類を変化させることによって制御されている。細胞の脱着(detachment),細胞―基質間接着の解離,という観点が近年注目を集めてきており,ECM蛋白による接着制御として,テネイシン(TN)の発見とその分子機能の解析は,積極的な抗接着性の概念の確立に寄与してきている。また,最近ファミリー分子が相次いで発見され,TNファミリーの関与する現象はますます増えていくであろう1,2)
 本稿では,現在知られているTNファミリー分子を紹介し,よく研究されているTN-Cを中心に,in vitroでの分子機能と生体での発現,機能について概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら