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文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻4号

1997年08月発行

実験講座

生細胞研究のためのナノテクノロジー―光ピンセットとナノ計測

著者: 富重道雄1 楠見明弘1

所属機関: 1名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻

ページ範囲:P.313 - P.318

文献概要

 生きている細胞に適用できる「ナノ」テクノロジーが次々と誕生しつつあり,細胞生物学研究に革新をもたらそうとしている。特に,最近の光学顕微鏡とその関連技術のめざましい発展のおかげで,機能しているタンパク質分子を,1分子レベルで,ナノメートル/サブミリ秒の精度で観察し,ナノメートル/サブピコニュートンの精度で操作することができるようになってきた1-5)。タンパク質分子のサイズは数ナノメートルであり,タンパク質間の相互作用の力はピコニュートンレベルであるから,タンパク質1分子のレベルで,作動機構を調べるための方法がそろいつつある,ということだ。
 われわれは,これらの技術―光ピンセット法とナノ計測技術―を,細胞膜の研究に応用している。この手法は汎用性が高いので,将来的には細胞生物学のほかの様々な系に応用できると思われる。本稿では,われわれが細胞膜研究に用いているシステムを例にとって,Ⅱ章で方法を解説し,Ⅲ章では細胞膜研究への応用例を紹介する。Ⅱ章は技術的な話が中心なので,光ピンセットを使ってどんなことができるのかに興味があるという方は,Ⅱ章をとばしてⅢ章を読んでいただきたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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