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文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻5号

1997年10月発行

文献概要

特集 受容体1997 Ⅰ.イオノトロピック受容体

イオノトロピック受容体

著者: 荻田喜代一1 米田幸雄1

所属機関: 1摂南大学薬学部薬理学研究室

ページ範囲:P.328 - P.329

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 神経細胞や筋肉細胞などの興奮性細胞における迅速な情報伝達は,Na,K,Ca2+およびCl-などの細胞内外移動の制御により行われる。この情報刺激応答性を示すイオン類の細胞内外移動を制御するのが,細胞膜を貫通する蛋白分子であるイオンチャネルである。イオンチャネルは透過するイオンの種類により,1)Naチャネル,2)Kチャネル,3)Ca2+チャネルおよび 4)Cl-チャネルなどに分類される。また,イオンチャネルはリガンドにより開放制御を受けるイオノトロピック受容体と,細胞内外の膜電位変化で開閉が制御される電位依存性チャネルに大別される。イオノトロピック受容体には,1)ニコチン性アセチルコリン(nACh)受容体,2)グルタミン酸(Glu)受容体,3)セロトニン(5HT)受容体,4)プリン(ATP)受容体,5)γ-アミノ酪酸(GABA)受容体,および6)グリシン受容体などがある(表1)。
 神経終未よりシナプス間隙中に放出されたリガンドが神経伝達物質の場合は,シナプス後膜上のイオノトロピック受容体に結合すると,1msec以内に特定のイオンが細胞内に流入する。陽イオンチャネル内蔵型受容体であるnACh受容体,Glu受容体,5HT受容体およびATP受容体では,それぞれのアゴニストの結合により陽イオンチャネルが開放して,NaやCa2+などが流入して細胞を脱分極させる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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