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文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻5号

1997年10月発行

文献概要

特集 受容体1997 Ⅰ.イオノトロピック受容体 2.陰イオンチャネル内蔵型

GABAA受容体

著者: 赤池紀扶1

所属機関: 1九州大学医学部生理学第二講座

ページ範囲:P.342 - P.345

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 [サブタイプ]γ-アミノ酪酸(GABA)は哺乳動物中枢神経系における代表的抑制性神経伝達物質である。受容体としてGABAA-Cが知られている。GABAB受容体はG蛋白質共役型で直接,間接的に膜電位依存性イオンチャネルを制御して,神経終末部からの伝達物質遊離や神経細胞活動を制御する。Cl-チャネル内蔵型はGABAAとGABACで,GABAA受容体は主にシナプス後膜にあり,不安などの精神作用の調節や神経疾患に関与する。GABAA受容体は4個のサブユニットからなる五量体で,これを構成する4種類のサブユニットはα1-6,β1-4,γ1-3とδからなる膜4回貫通型である(図1A,B)。N末端から数えて3番(M3)と4番(M4)間の大きい細胞内ループ内にリン酸化部位があり,5個のサブユニットのM2領域両端の塩基性アミノ酸がC1-チャネル内壁を構成する。サブユニットの異なる組合わせによりGABAA受容体の機能が修飾される。例えば,ヒトGABAA受容体由来のα1,β2,γ2をα1β2γ2とα1β2の組合わせで培養細胞に発現させると,γ2の除外はGABAA応答の閾値に影響せず脱感作を促進する。α1β2γ2のα1をα3に置換するとベンゾジアゼピン(BZP)類によるGABAA応答増強作用に対する温度依存性(低温で大,高温で小)が減少し,閾値もBZPの高濃度側へ移行する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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