特集 受容体1997
Ⅱ.Gタンパク質共役型受容体 1.神経伝達物質・ホルモン 2)ペプチド
コレシストキニン受容体
著者:
宮坂京子1
船越顕博2
所属機関:
1東京都老人総合研究所臨床生理部門
2国立病院九州がんセンター消化器部
ページ範囲:P.403 - P.406
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[サブタイプ]コレシストキニン(Cholecystokinin;CCK)の受容体にはCCKA,B受容体(CCK AR,BR)の2種が存在し,それぞれ別個の遺伝子に由来し,いずれもクローニングされた1)。CCK ARはスルホン基を有するCCKに高い親和性を持ち,CCK BRはスルホン基を有しないCCKにも同等の親和性を持つ。胃に発現しているガストリン受容体はCCK BRと同一構造を持ち,同じ遺伝子に由来するので,ガストリン/CCK BRと呼ばれている。これらの受容体は膜7回貫通型のG蛋白共役型である。ラットやモルモットの遊離膵腺房を用いたアミラーゼ分泌反応実験による機能検討からの分類では,CCK ARには分泌亢進につながるhigh affinity binding site,分泌を抑制するlow affinity binding siteが存在する。
CCK ARとCCK BRは50%のホモロジーを有し,主に膜貫通部位と第1,2細胞内ループに共通部位が多い。ヒトCCK ARは染色体4,CCK BRは染色体11上に存在する。