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文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻5号

1997年10月発行

文献概要

特集 受容体1997 Ⅱ.Gタンパク質共役型受容体 1.神経伝達物質・ホルモン 3)タンパク

GnRH受容体

著者: 多賀理吉1

所属機関: 1横浜市立大学医学部産婦人科

ページ範囲:P.445 - P.447

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 [薬理効果]10個のアミノ酸から成るペプチドである性腺刺激ホルモン放出ホルモン(gonadotropin-releasing hormone;GnRH)は,視床下部から分泌され,下垂体門脈を経由して,下垂体前葉に存在する高親和性のGnRH受容体に特異的に結合し,黄体化ホルモン(LH)と卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を制御する,生殖現象においては最も中心的な役割を果たしているホルモンである。その分泌の特徴は律動的(パルス状)であることである。GnRH受容体の数とGnRHに対する反応性は,様々な内分泌環境により調節されているが,リガンドであるGnRH自身によっても影響を受ける。すなわち,低濃度の律動的なGnRHの刺激ではGnRH受容体はアップレギュレーションを受けるのに対して,高濃度で持続的な刺激ではダウンレギュレーションを受け,脱感作(desensitization)を起こす。現在,臨床に広く応用されているGnRHアゴニスト製剤の薬理作用は,この脱感作現象を利用したものである。また,最近はGnRHアンタゴニストの臨床応用も試みられている。
 GnRH受容体は単一の高親和性受容体であり,結合定数は2.5×10-9Mである。GnRH受容体の約20%の結合で,最大反応の80%の生物学的効果(LH分泌)を起こすのに十分であるといわれている。GnRHの分子形態と受容体との関係を図1に示す。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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