icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻5号

1997年10月発行

特集 受容体1997

Ⅱ.Gタンパク質共役型受容体 1.神経伝達物質・ホルモン 3)タンパク

LH/CG受容体

著者: 矢本希夫1

所属機関: 1和歌山県立医科大学産科婦人科

ページ範囲:P.448 - P.450

文献概要

 下垂体より産生される甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone;TSH),卵胞刺激ホルモン(follicle-stimulating hormone;FSH),黄体化ホルモン(luteinizing hormone;LH)および胎盤から分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(human chrionic gonadotropin;hCG)は,糖蛋白ホルモンであり,αとβのサブユニットより構成される。αサブユニットは種特異性を,βサブユニットは各ホルモンの作用特異性を担っている。男性においてはLHは精巣の標的細胞であるライディヒ細胞に作用し,アンドロゲンの産生を刺激する。一方,女性では初経から閉経までの期間において,約40万個の原始卵胞のうち約500個の選択された卵胞のみがFSH,LHとエストロゲンの協調的作用のもとに発育・成熟し,排卵,黄体形成,維持,退行に至るが,残りの多くの卵胞は閉鎖の過程をたどる。このように,精巣などの他臓器には類をみない卵巣の卵胞発育,閉鎖,排卵,黄体形成,退行には,ゴナドトロピンの受容体を介した内分泌(endocrine)作用に加え,性腺ペプチド,成長因子,サイトカインなどの局所因子による傍分泌(paracrine),自分泌(autocrine)的調節機構が存在するものと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら