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文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻6号

1997年12月発行

文献概要

特集 軸索誘導

軸索誘導と金属因子

著者: 原田均1 祐田泰延1

所属機関: 1静岡県立大学薬学部産業衛生学教室

ページ範囲:P.539 - P.541

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 われわれを取り巻く環境中に存在する金属のうちいくつかは必須金属と呼ばれ,水・食物を介して体内に取り込まれ,種々の生体反応において制御因子として機能している(表1)。しかしながら,軸索の誘導に関係する必須金属の存在をはっきりと証明した例はこれまでになく,神経系全般にまで領域を広げてもいまだ十分な量の知見が集積されたとはいい難い。一方,重金属に代表される有害金属や容量を超えた必須金属の神経系への蓄積とその毒性に関しての研究は数多くみられ,軸索誘導に対する影響も少なからず検討されている。
 軸索誘導の分子機構が明らかになるにつれて,生体内では造り出しえない因子,例えば金属イオンによる制御機構の検討が今後必要になると思われる。本稿では,軸索誘導と金属因子の関連を調べるのによい手掛かりとなる報告例をいくつか紹介する。なお,ここに紹介する例は各種金属イオンの軸索誘導に対する影響をin vitroの系で観察したものがほとんどで,軸索誘導は神経様細胞からの神経栄養因子による神経様突起(neurite out-growth;NOG)の誘導能によって評価している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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