icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻6号

1997年12月発行

文献概要

特集 軸索誘導

神経交叉の形成機構

著者: 村上富士夫1

所属機関: 1大阪大学大学院基礎工学研究科脳科学講座

ページ範囲:P.565 - P.569

文献購入ページに移動
 脳では様々な部位で神経が交叉を形成しており,立体視など体の左右の各部位からの情報の統合による知覚や,歩行をはじめとする各種の整合を保った運動の実現などに寄与している。すなわち交叉性神経回路は最も基本的な回路の一つであるとともに,最も基本的な脳機能の実現に重要な役割を果たしている。一方,神経交叉は発生の観点からも極めて興味深い。左右対称な脳にあって,いかなる機構によって成長円錐は反対側の標的へと向かうことができるのであろうか。脳には様々な部位に神経交叉が存在するが,最近その主要なものの軸索誘導の分子機構に関して多くの新たな知見が得られた。本稿ではこれらの最新の知見について概説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?