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連載講座 個体の生と死・5
着床
著者: 舘澄江1 舘鄰2
所属機関: 1東京女子医科大学解剖学・発生生物学教室 2麻布大学獣医学部動物工学研究室
ページ範囲:P.588 - P.596
文献購入ページに移動血漿膜性胎盤は他の胎盤に比べ胚子の栄養膜細胞による子宮内膜組織の浸潤(侵襲)の最も著しい型である。経時的な変化の著しい過程で,着床期を明確に限定して定義するのは極めて難しいが,胚盤胞の栄養膜細胞と子宮腔上皮細胞の接着開始から,栄養膜細胞による内膜組織の血管浸潤の開始までを「着床(期)」と定義するのが一般的である。着床の現象は遺伝的に異なる胚子組織と母体組織との間に確立される細胞間相互作用という観点から,古くから興味を持たれ多方面から研究がなされてきた。本課題ではヒトと同様,血漿膜性胎盤を形成するラットやマウスを中心に,胚盤胞形成と着床に関して,その概略を要約してみたい。
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