icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学48巻6号

1997年12月発行

文献概要

話題

アジア太平洋松果体会議―メラトニン発見から40年

著者: 森田之大1

所属機関: 1浜松医科大学第一生理学教室

ページ範囲:P.602 - P.603

文献購入ページに移動
 最近,松果体ホルモンのメラトニン(以下Mt)がよく話題になっている。社会的関心が高くなったのは,時差ぼけや高齢者の睡眠障害に有効な例が報告され,免疫力の強化,抗酸化作用,老化予防の可能性などが喧伝されたからである。しかし限られた実験データからの推論が多く,基礎的な研究はまだ十分とはいえない。松果体やメラトニンに対する関心は広い研究分野に及び,ヨーロッパ,アメリカ,カナダなどでは定期的に松果体関連の学会が開かれている。
 2年前,香港でメラトニンの国際シンポジウムが開かれた折,アジア太平洋松果体学会を設立するよう多くの参加者から要望が出た。わが国での松果体研究の実績,研究者や研究グループの数などが考慮され,第一回の会議を浜松で開催するよう強く要請されていた。昨年2月,米国で松果体細胞についてのゴードン・カンファレンスが開かれたが,そこでの討論を足がかりに計画がねられ,主として基礎的な,そして現在の大げさで非科学的なマスコミ報道の風潮に批判的な意見をもつ研究者が集まった。日本,アメリカ,カナダ,オーストラリア,中国,香港,台湾,インド,ドイツ,フランス,英国,オーストリア,イタリア,チェコから,外国人41名を含めて計103名が参加し,文部省国際シンポジウムとして1997年3月28~31日,浜松で開催された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら