icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻2号

1998年04月発行

文献概要

特集 血管―新しい観点から

血管内皮における張力刺激と細胞骨格

著者: 杉本啓治1 武政徹1 藤井幸子1 山下和雄1

所属機関: 1日本医科大学解剖学第一講座

ページ範囲:P.93 - P.98

文献購入ページに移動
 筋肉細胞をはじめ,生体を構成する多くの細胞は何らかの機械刺激を受けている。血管内皮細胞も血流による流れずり応力,あるいは血圧による張力などの機械刺激を常時受けている細胞である。こうした刺激に対する応答を内皮細胞が活発に行って,血管としての恒常性を保っている事実が最近つぎつぎに明らかにされている1)。また,その機能不全が動脈硬化をはじめ脈管病変の主原因の一つになることからも,内皮細胞が機械刺激に対して示す応答反応の実体を明らかにすることが重要な課題になっている2)。本稿においては,張力刺激に対して内皮細胞が示すアクチン系細胞骨格の動態について解説する。他の細胞骨格要素が機械刺激によって明確な対応変化を示したとの報告はまだなされていないこともあり,内容的には細胞/基質間接着に関わるアクチン線維束(=ストレスファイバー:SF3))に関するものになることをまずお断りしておく。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?