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実験講座
血管壁の力学特性とその無侵襲診断法
著者: 横堀壽光1
所属機関: 1東北大学工学部機械電子工学専攻
ページ範囲:P.152 - P.156
文献購入ページに移動 血管壁は内皮細胞,エラスチン(弾性線維),コラーゲン(膠原線維),平滑筋(smooth muscle)により構成される複合材料である1)。また,血圧上昇や動脈硬化の進行に伴って,線維の構成や力学的性質が変化することが知られている2-5)。この現象はin vitro下での拍動圧流負荷実験においても見られる3)。したがって,その力学的要因として,血管壁を構成する各線維がゴム弾性の分子の再配列に見られるような,圧力負荷方向への再配列を生じることが示唆される3,5)。
血管壁の力学試験としては,血管を試験片の形に切出して静的引張試験を行い,応力―歪の関係を求めることが試みられている6)。この方法により,コラーゲン,エラスチンの力学的性質の相違が明らかにされている7)。また,血管に内圧を負荷して内圧変化に伴う血管半径の増加特性を調べることも試みられている8,9-11)。この時,血管壁の剛性を表すパラメータとして圧力弾性係数9),増分弾性係数10),スティフネスパラメータ8)などが提案されている。また,局所的な血管病変部の弾性率を評価する方法として,ピペット法と呼ばれる方法も提案されている12)。
血管壁の力学試験としては,血管を試験片の形に切出して静的引張試験を行い,応力―歪の関係を求めることが試みられている6)。この方法により,コラーゲン,エラスチンの力学的性質の相違が明らかにされている7)。また,血管に内圧を負荷して内圧変化に伴う血管半径の増加特性を調べることも試みられている8,9-11)。この時,血管壁の剛性を表すパラメータとして圧力弾性係数9),増分弾性係数10),スティフネスパラメータ8)などが提案されている。また,局所的な血管病変部の弾性率を評価する方法として,ピペット法と呼ばれる方法も提案されている12)。
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