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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻3号

1998年06月発行

文献概要

特集 幹細胞研究の新展開

胃腸粘膜上皮の幹細胞と細胞分化

著者: 片岡勝子1

所属機関: 1広島大学医学部解剖学第二講座

ページ範囲:P.207 - P.212

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 消化管上皮は生理的に新生,分化・成熟,剥脱の過程を繰り返しており,Leblondらによる3H-チミジン・ラジオオートグラフィ(3H-TdR-RAG)の開発以来,renewing populationの典型として,多くの研究者がその細胞動態を研究してきた1)。そして幹細胞の概念が生まれた2-4)。しかし幹細胞の定義は,組織の一定の位置にあり,高い自己複製能力と分化すべき細胞を生み出す能力をもち,それ自身は分化した形態や機能をもたない細胞という共通認識はあるものの,必ずしも一定ではない。幹細胞は一種のヒエラルキーをなし,多分化能性幹細胞と単分化能性幹細胞,determinedstem cellとcommitted stem cellに分けて考えることができる。幹細胞から直接に生み出されて高い増殖能をもつ細胞は,progenitor cell,transitamplifying cellなどと呼ばれる。これらの概念は対象となる組織や研究方法によって使い分けられており,相互関係を明確に整理することはできない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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