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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻3号

1998年06月発行

文献概要

特集 幹細胞研究の新展開

多分化能を有する細胞株

著者: 小島至1

所属機関: 1群馬大学生体調節研究所

ページ範囲:P.217 - P.220

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 分化能を有する培養細胞株は増殖・分化過程の解析,さらにはその制御機構を検討する上できわめて有用である。一方向の分化だけでなく多分化能を有する細胞となれば,その有用性はなおさらである。ES細胞やエンブリオカルチノーマ細胞P19などはこの目的で頻用されているが,それらについては他項で詳しく述べられてあるのでそちらを参照していただきたい。本稿では比較的簡単に扱える代表的な「多分化能をもつ細胞株」についてその概要を述べることにしたい。これらは腫瘍由来の細胞株であり,通常の培養条件下では腫瘍細胞としての特徴を示す。しかし,適当な分化誘導因子の作用により増殖が停止し,様々な分化機能を発現するようになる。多くの点で正常組織での分化過程と類似した現象を培養系で簡便に再現できるため,分化過程の解析に有用であると考えられている。「多分化能をもつ」というためには,一つのクローンから異なった分化マーカーを発現する細胞が分化することを示す必要があるが,以下に紹介する二つの細胞株ではその点が明快に示されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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