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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻3号

1998年06月発行

文献概要

解説

管の発生のメカニズム

著者: 八杉貞雄1

所属機関: 1東京都立大学大学院理学研究科生物科学専攻

ページ範囲:P.233 - P.239

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I.生体における管の機能と意義
 生体を見渡してみると,いわゆる管構造の多いことに驚く。われわれの体の中にある管と名のつくものを列挙してみると,その数はおそらく数百に上るであろう。腸管,血管,輸尿管,卵管,輸精管,涙管,などなど枚挙にいとまがない。また,管という名称がなくても,尿道のように明らかな管があり,また脳室や脊髄の中心管のような,閉じた空間も管といって差し支えがないであろう。生体にこのように多数の管が存在することの意味は何であろうか。
 管のもっとも主要な働きは,いうまでもなく,その中空の部分を通して物質や液体を輸送することである。輸送される液体や物質は多くの場合その終末に存在する分泌腺に由来する。唾液や汗や乳汁などである。これらの分泌腺はそれが体表(腸管の内腔表面も含めて)に直接開口することはまれで,多くの場合に何らかの管を経由して分泌物を放出する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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