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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻5号

1998年10月発行

特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998

Ⅰ.受容体に作用する薬物 2.Gタンパク共役型 1)アミン・アミノ酸受容体

GABAB受容体

著者: 貝原宗重1 谷山紘太郎1

所属機関: 1長崎大学医学部薬理学講座

ページ範囲:P.354 - P.357

文献概要

 GABA(γ-aminobutyric acid)B受容体は1980年Boweryらにより,末梢および中枢神経組織において,GABAA受容体を活性化しないβ-chlorophenyl GABA(baclofen)により活性化され,GABAA受容体拮抗作用のあるbicucullineでは抑制されない,カテコールアミンの遊離を抑える受容体として報告された1,2)。その後,この受容体は百日咳毒素感受性GTP結合蛋白(G蛋白質)と共役する7回膜貫通型受容体であることが明らかとなった。これまでに報告されているGABAB受容体/百日咳毒素感受性G蛋白質を介する細胞内情報伝達経路を図1に示す。
 GABAB受容体を介する情報伝達系として細胞内cAMP濃度の調節,Ca2+チャネル抑制そしてKチャネル活性化が報告されている。細胞内cAMP濃度の調節については,1983年ラットの中枢シナプスの膜標品で,baclofenがアデニル酸シクラーゼの活性を抑制することが報告された3)。その後,種々の組織でGABAB受容体活性化によりアデニル酸シクラーゼ活性が抑制および促進と両方向に修飾されることから,GABAB受容体サブタイプの存在が考えられた。しかし,アデニル酸シクラーゼのサブタイプの存在が明らかになるにしたがい,同一のG蛋白質のβγサブユニットにより相反する調節を受けるアデニル酸シクラーゼがあることがわかってきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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