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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻5号

1998年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998 Ⅰ.受容体に作用する薬物 2.Gタンパク共役型 1)アミン・アミノ酸受容体

ドーパミン受容体

著者: 笹征史1

所属機関: 1広島大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.365 - P.368

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 ドーパミン受容体は膜を7回貫通するアミノ酸から成り,Gタンパクに共役する受容体である。この受容体にはD1,D2,D3,D4およびD5の5種のサブタイプが存在し,D1とD5受容体は薬理学的に同じ反応を示すためD1様受容体と称し,D2,D3,およびD4受容体はD2様受容体と呼ばれている。D1受容体にはバリアントは知られていないが,D5受容体はD5Pseudo-1と2の2種のバリアントが知られている。D2受容体はD2SとD2Lの2種が知られ,D2SはD2Lの細胞内第3ループの29個のアミノ酸を欠くものである。その他,数%の3種のバリアントがあるD3受容体(アミノ酸数400)のうち,全体の約28%の人は第9番目のセリンがグリシンに置換されたものを有し,さらに一部の分裂病患者では第6および7膜貫通部を欠く,短いアミノ酸数(342)を有するものがある。D4受容体は最も多くのバリアントを有し,現在11種のバリアントが知られている7,8)
 D1様受容体はGタンパクのGSに共役し,アゴニストによりアデニル酸シクラーゼを活性化し,cAMPを増量する。D2様受容体はいずれもGi/oに共役し,アデニル酸シクラーゼを抑制することによりcAMPを減量する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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