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文献詳細

雑誌文献

生体の科学49巻5号

1998年10月発行

文献概要

特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998 Ⅰ.受容体に作用する薬物 2.Gタンパク共役型 3)エイコサノイド受容体

プロスタノイド受容体

著者: 根岸学1 加藤裕教1

所属機関: 1京都大学大学院薬学研究科神経機能制御学分野

ページ範囲:P.410 - P.411

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 プロスタノイドは細胞外からの生理的病理的な刺激に応じてアラキドン酸から生成される生理活性物質であり,産生された局所で多彩な作用を発揮し,生体のホメオスタシスの維持に関わる重要なオータコイドである。主要なプロスタノイドはPGE2,PGI2,TXA2,PGD2,PGFであり,それぞれに対応する受容体はEP,IP,TP,DP,FPと呼ばれ,EPにはさらに四つのサブタイプEP 1,EP 2,EP 3,EP 4が存在する。これら8種類の受容体はすべてG蛋白質共役ロドプシン型受容体構造をしており,異なるG蛋白質を介して,イノシトールリン脂質代謝系,Ca2+動員系(EP 1,TP,FP),アデニル酸シクラーゼ活性化(EP 2,EP 4,IP,DP),アデニル酸シクラーゼ抑制系(EP 3)と共役している1)
 プロスタノイドの薬理作用は様々な平滑筋の収縮を指標にしたバイオアッセイ系や血小板の凝集などによる解析が主であったが,クローニングされた受容体の発現系を用いた生化学的な解析が進んでおり,表1に示した今までのアゴニスト,アンタゴニストの効力の再評価が詳細になされている2)。プロスタノイドは中枢においても様々な作用を発揮する。PGE2は発熱,痛覚修飾や覚醒誘導を起こしたり,様々な神経終末からの神経伝達物質の遊離を抑制する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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