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特集 神経系に作用する薬物マニュアル1998 Ⅰ.受容体に作用する薬物 3.その他
シグマ受容体
著者: 氏家寛1
所属機関: 1岡山大学医学部神経精神医学教室
ページ範囲:P.412 - P.416
文献購入ページに移動 シグマ(σ)受容体はMartinら1)により,mor-phine誘導体のbenzomorphan類のmorphineとは異なる生理作用,特に精神病症状惹起作用を媒介するオピオイド受容体の新しいサブタイプとして概念的に提唱された。また,プロトタイプのSKF-10047がσ受容体以外にNMDA型グルタミン酸受容体イオンチャネル遮断作用(すなわちPCP site)も有していたため,これらとの異同について混乱が生じていた。後に,結合阻害実験やオートラジオグラフィーにより別のものであることが確立され,1987年の国際会議で“non-opiopid,non-pcp,haloperidol-sensitive site”として定義された2)。しかし,σ受容体はphencyclidine(以下PCP)やオピオイドアゴニストと相互作用するため,過去の混乱を引きずった誤った記載が最近でも散見されている。
σ受容体が関与する可能性のある生理作用は多岐にわたっており,それらの生理作用におけるσ受容体の関与の詳細な機構は明らかではない。
σ受容体が関与する可能性のある生理作用は多岐にわたっており,それらの生理作用におけるσ受容体の関与の詳細な機構は明らかではない。
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